安定
不安定性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/29 17:45 UTC 版)
「リングワールド (架空の天体)」の記事における「不安定性」の解説
リングワールドの安定性は、惑星の公転軌道の安定性とは根本的に異なる。リング自体は1200 km/sで回転しているものの、リングワールドの重心は恒星に対して運動していない。つまり、リングワールドが全体として恒星を巡る公転軌道(慣性軌道)にのっているわけではない。また、リングワールドの各部は連結されているので、リングワールドの各部が慣性軌道にのっているわけでもない。 それでも、リングワールドは安定に思える。リングワールドに加わる恒星の重力は、全方向からの力が打ち消しあって0だからである。しかし実は、その状態はポテンシャルの鞍点であり、不安定である。何らかの要因(たとえば、神の拳を作ったような巨大隕石の衝突)により、リングワールドの中心が恒星からわずかでも横方向にずれると、恒星と接近した部分に加わる重力はより強くなり、ずれを拡大する方向に重力が加わる。坂道を転がり落ちるように位置のずれは大きくなり、最終的には恒星とリングは接触するか、その前に恒星の重力や熱により破局的な結果になるだろう。一方、縦方向のずれに対しては、ずれを縮小する方向に重力が加わり、安定である。 この問題は『リングワールド』が出版された後に発覚した。これにより「リングワールドは力学的に不安定」だと指摘し、この問題を解決するための続編を熱望する手紙を、ニーヴンは山のように受け取ることになった。また、1970年に開催された世界SF大会では、MITの学生がホールで同じことを大合唱したという。これらに対する彼の解答が『リングワールドふたたび』で描写された姿勢制御ジェットである。 恒星との位置関係がずれた場合、リングワールドが不安定であるのに対し、ダイソン球は中立安定である。言い換えれば、球殻内のポテンシャルは完全に平坦であり、恒星がどの位置でも重力は0である。このことは、ニュートンが積分を使って証明したが、ガウスの法則を使えば容易に導出できる(球殻に限らず任意の閉曲面に対し同様にポテンシャルが平坦だとわかる)。リングワールドにはない高緯度の「キャップ」の部分が、リング部分の重力をちょうど打ち消す大きさと方向の重力を生んでいると考えることができる。
※この「不安定性」の解説は、「リングワールド (架空の天体)」の解説の一部です。
「不安定性」を含む「リングワールド (架空の天体)」の記事については、「リングワールド (架空の天体)」の概要を参照ください。
不安定性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 15:58 UTC 版)
プラズマは、温度、密度が空間的に一様であり、速度分布がマクスウェル分布であるとき安定である。これ以外の場合は、何らかの不安定性が励起されて安定な状態に戻ろうとする。プラズマの不安定性は巨視的不安定性と微視的不安定し大別される。以下では、各不安定性について示す。 巨視的不安定性 巨視的不安定性は流体モデル、MHDモデルによって扱うことのできる不安定性である。Kruskal-Schwarzschid不安定性、もしくはフルート (flute) 不安定性はプラズマと真空の界面が波打つように成長する不安定性である。流体力学におけるレイリーテイラー不安定性に相当する。キンク不安定性はプラズマ中に電流を流した場合に、電流分布の僅かな不均一が、電流と直交する断面のプラズマ形状を波打つように成長させる不安定性であり、電流駆動不安定性の一種である。ここで、キンクとは「ねじれ」の意である。 微視的不安定性 微視的不安定性はプラズマ粒子の速度分布が重要となる不安定性である。2流体不安定性は、静止したプラズマに高速な荷電粒子ビームが入射するとき、僅かな電場の乱れが、荷電粒子ビームの粗密を成長させる不安定性である。速度空間不安定性はプラズマ粒子の速度分布が方向によって大きく異なるときや、荷電粒子ビームの入射などにより速度関数が複数のピークを持つ場合に起きる不安定性である。
※この「不安定性」の解説は、「プラズマ」の解説の一部です。
「不安定性」を含む「プラズマ」の記事については、「プラズマ」の概要を参照ください。
不安定性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/09 14:36 UTC 版)
「クレンペラーのバラ飾り」の記事における「不安定性」の解説
この系のシミュレーション (または単純な線形摂動解析)は、そのような系が不安定であることを示している。完全な幾何学的軌道から離れれば、振動が発生し、最終的に系の破壊につながる(クレンペラーの論文もこの事実を述べている)。 これはバラ飾りの中心が自由空間にあるか、それとも恒星の周りの軌道にあるか、いずれかでも起きる。 その理由は、摂動が対称性を破壊し、摂動が増加し、対称性がさらに損なわれるためである。 より長い説明は、接線方向の摂動が天体の隣にある天体に近づき、別の隣の天体から遠ざかる。重力の不均衡は、より近い隣の天体ほど大きくなり、より遠くの隣の天体ほど小さくなり、摂動を受けた物体をより近い隣に引き寄せ、摂動を減衰させるのではなく増幅させる。 内側の半径方向の摂動により、摂動が起こる物体に近づき、物体にかかる力が増加し、軌道速度が増加する。これにより、間接的に接線摂動と上記の理由が発生する。
※この「不安定性」の解説は、「クレンペラーのバラ飾り」の解説の一部です。
「不安定性」を含む「クレンペラーのバラ飾り」の記事については、「クレンペラーのバラ飾り」の概要を参照ください。
不安定性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/25 05:10 UTC 版)
通常は、ケト-エノール互変異性による平衡がケト体に偏ってしまい、ビニルアルコール自体は熱力学的に不安定な化合物である。つまりビニルアルコールとアセトアルデヒドとの平衡がアセトアルデヒド側に大きく偏ってしまうので、「ビニルアルコール」を物質として扱うことはできない。 ビニルアルコール CH2=CHOH では、電子が豊富な二重結合のπ電子が塩基、ヒドロキシ基についているHが酸として働く。これにより、プロトン(H+)の脱離が可能であり、脱離するとエノラート型(CH2=CHO−)になるが、エノラート型は電子の非局在化が起こり安定になる。 CH2=CHOH → H+ + CH2=CHO− 従って、プロトンの脱離が起こり得る。そこから熱力学的により安定なアセトアルデヒドに変化する。
※この「不安定性」の解説は、「ビニルアルコール」の解説の一部です。
「不安定性」を含む「ビニルアルコール」の記事については、「ビニルアルコール」の概要を参照ください。
不安定性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 14:23 UTC 版)
長い間、炭酸は水に溶けた状態でしか存在できず、炭酸そのものを室温で単離することは不可能だと考えられていた。しかし、1991年にNASA・ゴダード宇宙飛行センターの科学者が初めて純粋な H2CO3 を作り出すことに成功した。彼らは凍結させた水と二酸化炭素に高エネルギーの放射線を照射したのち、加温して余分な水を取り除くことにより単離を行った。得られた炭酸の構造は赤外分光法によって検証された。宇宙空間には水や二酸化炭素の氷が普通に存在することから、この実験結果は宇宙線や紫外線によってそれらが反応することで生成した炭酸も宇宙空間には存在する可能性があることを示唆している。 理論計算によって、水が1分子でも存在すると炭酸はすぐに二酸化炭素と水に戻ってしまうが、水を含まない純粋な炭酸は気体状態で安定であることが示されており、その半減期はおよそ18万年であると考えられる。
※この「不安定性」の解説は、「炭酸」の解説の一部です。
「不安定性」を含む「炭酸」の記事については、「炭酸」の概要を参照ください。
「不安定性」の例文・使い方・用例・文例
- 不安定性のページへのリンク