須磨 (源氏物語) 須磨 (源氏物語)の概要

須磨 (源氏物語)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/12 13:59 UTC 版)

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源氏物語五十四帖
各帖のあらすじ
 帖     名     帖     名   
1 桐壺 28 野分
2 帚木 29 行幸
3 空蝉 30 藤袴
4 夕顔 31 真木柱
5 若紫 32 梅枝
6 末摘花 33 藤裏葉
7 紅葉賀 34 若菜
8 花宴 35 柏木
9 36 横笛
10 賢木 37 鈴虫
11 花散里 38 夕霧
12 須磨 39 御法
13 明石 40
14 澪標 41 雲隠
15 蓬生 42 匂宮
16 関屋 43 紅梅
17 絵合 44 竹河
18 松風 45 橋姫
19 薄雲 46 椎本
20 朝顔 47 総角
21 少女 48 早蕨
22 玉鬘 49 宿木
23 初音 50 東屋
24 胡蝶 51 浮舟
25 52 蜻蛉
26 常夏 53 手習
27 篝火 54 夢浮橋

あらすじ

朧月夜との仲が発覚し、追いつめられた光源氏は後見する東宮に累が及ばないよう、自ら須磨への退去を決意する。左大臣家を始めとする親しい人々や藤壺に暇乞いをし、東宮や女君たちには別れの文を送り、一人残してゆく紫の上には領地や財産をすべて託した。 須磨へ発つ直前、かつて彼が葵祭りで勅使を務めた際に仮の随身として仕えていた事がきっかけで、源氏と親しくしていた尉の蔵人が現われ、「私もお連れ下さい」と随行を志願。彼もまた、源氏と親しくしていた事で官職を罷免されてしまったのだ。彼も供を許され、須磨へ行くことに。

須磨の侘び住まいで、源氏は都の人々と便りを交わしたり絵を描いたりしつつ、淋しい日々を送る。つれづれの物語に明石の君の噂を聞き、また都から頭中将がはるばる訪ねてきて、一時の再会を喜び合った。やがて三月上巳の日、海辺で祓えを執り行った矢先に恐ろしい嵐が須磨一帯を襲い、源氏一行は皆恐怖におののいた。

連日のように続く、豪風雨。眠れぬ日々を過ごす源氏一行。ある晩、二条院から紫の上の使いが訪れ、紫の上からの文を読んだ源氏は都でもこの豪風雨が発生している事を知る。この悪天候のため、厄除けの仁王会が開催されることになり、都での政事は中止されていることが使いの口から明らかにされた。都に残してきた家族を案ずる、源氏たち。源氏はかつて、出会って間もない頃に幼い紫の上が住んでいた邸で、宿直(とのい)した事を思い出していた。

須磨巻起筆説

源氏物語のおこりなどいくつかの古注には『源氏物語』が現在冒頭に置かれている「桐壺」の巻から書き始められたのではなく、この「須磨」の巻から起筆されたとする伝承が記録されている。四辻善成の『河海抄』には村上天皇の皇女選子内親王から新しい物語を所望されて石山寺にこもって構想を練っていたところ、8月15日夜、琵琶湖の湖面に映った月を見て源氏物語の構想を思いついて須磨の巻の「こよいは十五夜なりと思し出でて」と書き始めたとしている。但し現在では須磨の巻から起筆されたとする伝承は事実に基づくものではないと考えられている[1]




  1. ^ 浅尾広良「須磨巻と源氏物語執筆伝説」『源氏物語の鑑賞と基礎知識 須磨』国文学解釈と鑑賞 別冊、2001年(平成13年)11月、至文堂、pp.. 260-266。 ISBN 4-7843-0212-3


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