栃木県 概要

栃木県

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/17 09:24 UTC 版)

概要

関東地方北部の北関東に位置する県で、人口は約192.3万人(2021年現在)。境界部に海岸線を有しない内陸県である。県内の地域区分は概ね県中部の宇都宮市鹿沼市真岡市から県南部の小山市栃木市、県南西部両毛線沿線の佐野市足利市など茨城・群馬両県と繋がりが深い県南と那須野が原に広がる那須塩原市や観光地那須町、県北西部を占める日光市を中心とする県北に分類される。

地勢は、北部から北西部にかけて奥羽山脈日光連山足尾山地が連なり、標高1500m - 2500m程の急峻な山岳が連なっている。これらの山々から流れ出る鬼怒川那珂川渡良瀬川など諸河川が関東平野の北端を形成し、更に北に進むと那須野が原に至り、県北の町並みが広がる。

県土のほぼ中央に宇都宮市が立地し、人口は県全体の4分の1に当たる約50万人が集中している。人口10万人以上の市として、県南の小山・栃木・足利・佐野の各市、県北の那須塩原市があり、宇都宮線・両毛線の沿線に人口の多い市が連なっている。そのほか、地域の行政中心地として、鹿沼・真岡・大田原・矢板の各市がある。

産業は、農業、工業、商業、観光業のバランスがとれ、それぞれ盛んである。

農業は、平野部が米やの産地、那須野が原などの高原部(那須高原)が酪農地、畜産地となっているほか、いちごかんぴょうなどの特産物も生産されている。

工業は、東北自動車道国道4号北関東自動車道国道50号を軸とする地域に、北関東工業地域、及び、関東内陸工業地域(本県の場合は両者の定義に当てはまる)が広がり、第二次世界大戦中に軍需産業が集積した宇都宮市では、機械工業や金属工業、食品・飲料工業が、真岡市、上三川町芳賀町では自動車関連産業(日産自動車系、本田技研工業系)が、那須塩原市、大田原市ではタイヤ製造や精密機械工業医療機器写真用レンズ製造)がそれぞれ発達している。また、県南では、食品・飲料工業や機械工業、益子焼の生産、機械・自動車部品などの中小規模の工場が広く立地するほか、伝統的に繊維産業が盛んである(結城紬足利銘仙)。

商業は、宇都宮市における小売業が発達し、ほか工業地域では卸売業も盛んである。

観光業は、日光鬼怒川エリアや、那須塩原エリアで盛んである。日光市の鬼怒川温泉川治温泉湯西川温泉日光湯元温泉、那須町、那須塩原市の那須温泉郷塩原温泉郷などは、飛鳥時代奈良時代からの古い歴史を持つ名湯。東照宮日光二荒山神社輪王寺の二社一寺で構成される世界遺産日光の社寺いろは坂華厳滝中禅寺湖戦場ヶ原など、風光明媚な奥日光の景勝地。自然豊かで、別荘地牧場・温泉地が広がり、那須岳殺生石皇室御用邸などもある那須高原。これらの地域は日光国立公園の指定地域内にあり、自然保護などの施策も執られている。日光市の一部には尾瀬国立公園に指定された地域も存在する。


注釈

  1. ^ 関東地方各地の雷日数と夏季の雷日数は、東京約11日のうち夏季約9日、横浜約12日のうち夏季約8日、群馬県前橋年間19.0日のうち夏季約18日、埼玉県熊谷年間19.3日のうち夏季約17日、茨城県水戸年間16.0日のうち夏季約13日となっており、いずれの地点でも夏季の雷日数が多くなっている。
  2. ^ 下野国は、正確には560,020人から342,260人。
  3. ^ 同じく、総人口は24,534,195人から27,063,910人。
  4. ^ 陸奥国は、1,962,839人から1,690,509人。
  5. ^ 同様に、隣の常陸国も人口減少が著しく、江戸後期においては、北関東が特に疲弊した地域であったことがわかる。
  6. ^ 上三川町、塩谷町は域内を鉄道路線が通過しているが、駅は存在しない。

出典

  1. ^ 阪部教宜 編、『橡木縣地誌略』、1877年、栃木町、集英堂 [1]
  2. ^ 土屋栄五郎 編、『府縣管轄便覽』、1872年、土屋栄五郎 [2]
  3. ^ 杤木縣、『杤木縣一覽概表』、1874年、栃木町、杤木縣 [3]
  4. ^ 杤木縣、『杤木縣治一覽表』、1876年、栃木町、杤木縣 [4]
  5. ^ 栃木県、『栃木縣治提要』、1881年、宇都宮町 [5]
  6. ^ 栃木縣會、『明治廿五年度 通常縣會日誌』、1892年、宇都宮町 [6]
  7. ^ 舟橋一也 編、『両毛文庫 栃木通巻 栃木縣誌』、目次、1904年、両毛文庫本部 [7]
  8. ^ a b 埼玉、栃木、群馬の三県境が観光地化している? デイリーポータルZ 2016年3月16日、2021年12月4日閲覧
  9. ^ 戦場ヶ原の気象
  10. ^ 継承途絶えたら「大きな痛手」 那珂川の特産品“温泉トラフグ”の岐路 海ない栃木県で全国初の海水魚の養殖と話題に”. 下野新聞 (2023年11月29日). 2024年1月8日閲覧。
  11. ^ 山下龍一 (2024年1月4日). “那珂川町の「温泉トラフグ」姿消す 業者撤退で 地元に復活望む声”. 朝日新聞. 2024年1月7日閲覧。
  12. ^ 橋本澄朗「栃木のあけぼの」 阿部昭・橋本澄朗・千田孝明・大嶽浩良『栃木県の歴史』山川出版社 1998年 11-12ページ
  13. ^ 季刊・東北学2008年第15号『高原山黒曜石原産地遺跡の発掘』P27-45より、国武貞克著
  14. ^ 高原山黒曜石原産地遺跡群詳細(矢板市ホームページより)
  15. ^ 2007年04月14日Asahi.comニュース
  16. ^ 2008年2月23日産経ニュース
  17. ^ 2009年2月27日産経ニュース
  18. ^ 2009年2月とちぎテレビニュース
  19. ^ とちぎテレビ動画ニュース
  20. ^ 橋本澄朗「栃木のあけぼの」阿部昭・橋本澄朗・千田孝明・大嶽浩良『栃木県の歴史』山川出版社 1998年 14ページ
  21. ^ a b 武光誠『県民性の日本地図』文藝春秋〈文春新書〉、2001年、78頁。ISBN 4-16-660166-0 
  22. ^ 森浩一著『古墳の発掘』中公新書(65)(中央公論社 1965年(昭和40年)4月発行) 35ページの「私はこれまで天皇陵をも含めて多くの古墳を見てきたが、そのなかでいちばん美しい古墳を一つえらべといわれたら即座に下侍塚と答えよう。」を指しているのか。
  23. ^ 橋本澄朗「古代の下野」阿部昭・橋本澄朗・千田孝明・大嶽浩良『栃木県の歴史』山川出版社 1998年 6-57ページ
  24. ^ 平家物語による。
  25. ^ 社伝による。
  26. ^ 鎌倉府政庁の公式記録である吾妻鏡による。
  27. ^ 塙静夫著「とちぎの社寺散歩」(下野新聞社発行)ISBN 4-88286-210-7
  28. ^ 武光誠『県民性の日本地図』文藝春秋〈文春新書〉、2001年、79-80頁。ISBN 4-16-660166-0 
  29. ^ 以下の各人口推計は、「日本歴史大事典 4」(小学館 2001年)による。
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  33. ^ 双方、小作調停法により調停に応じる『中外商業新報』昭和7年1月12日夕刊(『昭和ニュース事典第4巻 昭和6年-昭和7年』本編p197)
  34. ^ 土浦、減水の後に飢餓の恐怖『東京朝日新聞』(昭和13年7月2日夕刊)『昭和ニュース辞典第6巻 昭和12年-昭和13年』p224
  35. ^ 死者・不明百人越す、関東各地の被害『東京日日新聞』昭和13年9月3日夕刊(『昭和ニュース事典第6巻 昭和12年-昭和13年』本編p224)
  36. ^ <栃木県内の空襲> 焼かれ、撃たれた県民 刻まれた恐怖、悲嘆”. 下野新聞 (2020年). 2022年8月16日閲覧。
  37. ^ 栃木県の県民経済計算
  38. ^ 最新版日本の地理5『関東地方』15頁
  39. ^ 宇都宮牛協会”. 農業王国うつのみや. うつのみやアグリネットワーク運営委員会事務局. 2024年1月13日閲覧。
  40. ^ ④宇都宮の農産物”. 小学校版「宇都宮学」副読本. 宇都宮市教育委員会事務局学校教育課指導グループ. 2024年1月13日閲覧。
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  42. ^ 地上デジタルテレビ放送のエリア(関東広域圏東京親局) (PDF) 総務省 2020年7月15日閲覧。
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  44. ^ イチゴ新品種、甘く大粒 開発7年、王国の主力候補 栃木県”. 下野新聞 (2018年11月15日). 2021年1月2日閲覧。
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  48. ^ 人物「明治時代以降」島岡達三 - 栃木県、2019年7月28日閲覧。
  49. ^ 人物「明治時代以降」船村徹 - 栃木県、2019年7月28日閲覧。
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