国鉄タム200形貨車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/05 03:46 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動国鉄タム200形貨車 | |
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タム200形、タム297 1983年、端岡駅 | |
基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
鉄道省 日本国有鉄道 日本貨物鉄道 |
製造所 | 新潟鐵工所、川崎車輛、日立製作所、三菱重工業、日本車輌製造、造機車輌 |
製造年 | 1932年(昭和7年) - 1957年(昭和32年) |
製造数 | 105両 |
種車 | タム500形、タム900形、タム3900形 |
改造年 | 1949年(昭和24年) - 1962年(昭和37年) |
改造数 | 4両 |
消滅 | 1995年(平成7年) |
常備駅 | 五分市駅、守山駅等 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | 二硫化炭素 |
化成品分類番号 | 燃毒36 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 7,350 mm、8,200 mm |
全高 | 3,504 mm |
タンク材質 | 普通鋼(一般構造用圧延鋼材) |
荷重 | 15 t |
実容積 | 11.8 m3 - 12.3 m3 |
自重 | 11.6 t - 11.9 t |
換算両数 積車 | 2.6 |
換算両数 空車 | 1.2 |
走り装置 | 一段リンク式→二段リンク式 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 3,660 mm、4,400 mm |
最高速度 | 65 km/h→75 km/h |
本形式と同一の専用種別であるタサ2200形及び本形式から改造され別形式となった形式についても本項目で解説する。
タム200形
本形式の他に二硫化炭素を専用種別とする形式は、タ1500形(8両)、タ1600形(5両)、タム5900形(19両)、タサ2200形(1両、後述)、タキ5100形(34両)、タキ5150形(1両)、タキ10100形(24両)の7形式があり、本形式はその中で最多両数形式である。
1932年(昭和7年)から1962年(昭和37年)にかけて109両(タム200 - タム231、タム233 - タム299、タム2200 - タム2209)が新潟鐵工所、川崎車輛、日立製作所、三菱重工業、日本車輌製造、造機車輌にて製作(改造による編入車を含む)された。
積荷である二硫化炭素はセロハンやレーヨンを製造するために使用される溶剤、ゴムの加硫促進剤等に使用されており、所有者はこれらの業界関係会社である。荷入れ方式は上入れ、上出し方式である。
戦時中の軍需産業転換の関係もあって本形式から他形式に改造された車両は多く、タ2000形へ2両(タム273, タム274 → タ2000, タ2001)、タ3700形へ1両、タム40形へ4両(タム260 - タム263 → タム40 - タム43)、タム900形へ多数(タム220 - タム221, タム268 → タム918、タム915、タム901など)、タム1800形へ1両(タム203 → タム1800)、タム5600形へ1両(タム278 → タム5601)、タム5900形へ2両(タム2208 - タム2209 → タム5914 - タム5915)、タラ400形へ2両(タム201, タム239 → タラ400, タラ401)などが挙げられる。
貨物列車の最高速度引き上げが行われた1968年(昭和43年)10月1日ダイヤ改正対応のため、初期に製作された一段リンク式車の大半は二段リンク式に改造されたが、改造されず廃車になる車もいた。この際、北海道内を常備駅としている車はいなかったため、タム500形よりタム20500形へ、タム3700形よりタム23700形へなどの2万番台への改称車はなかった。
1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「燃毒36」(燃焼性の物質、毒性の物質、引火性液体、毒性のあるもの)が標記された。
塗色は、黒であり、全長は7,350mm、8,200mm、全高は3,504mm、軸距は3,660mm、4,400mm、実容積は11.8m3 - 12.3m3、自重は11.6t - 11.9t、換算両数は積車2.6、空車1.2、最高運転速度は75km/h、車軸は12t長軸であった。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には、8両の車籍がJR貨物に継承されたが、1995年(平成7年)に最後まで在籍した車1両(タム229)が廃車になり同時に形式消滅となった。
年度別製造数
各年度による製造会社と両数は次のとおりである。(改造による編入車は改造会社)
- 昭和7年度 - 1両
- 新潟鐵工所 1両 (タム200)
- 昭和8年度 - 6両
- 新潟鐵工所 6両 (タム201 - タム207)
- 昭和9年度 - 9両
- 新潟鐵工所 9両 (タム208 - タム216)
- 昭和10年度 - 13両
- 新潟鐵工所 13両 (タム217 - タム228、タム233)
- 昭和11年度 - 20両
- 新潟鐵工所 20両 (タム234 - タム253)
- 昭和12年度 - 11両
- 新潟鐵工所 11両 (タム254 - タム264)
- 昭和13年度 - 8両
- 新潟鐵工所 8両 (タム265 - タム272)
- 昭和14年度 - 3両
- 新潟鐵工所 3両 (タム273 - タム275)
- 昭和24年度 - 3両
- 川崎車輛 2両 (タム276 - タム277)
- 新潟鐵工所 1両 (タム278)タム551よりの改造車
- 昭和25年度 - 4両
- 川崎車輛 4両 (タム279 - タム282)
- 昭和26年度 - 10両
- 新潟鐵工所 3両 (タム283 - タム285)
- ? 5両 (タム286 - タム288、タム291 - タム292)
- 川崎車輛 2両 (タム289 - タム290)
- 昭和28年度 - 2両
- ? 2両 (タム293 - タム294)
- 昭和29年度 - 3両
- ? 2両 (タム295 - タム296)
- 日立製作所 1両 (タム297)
- 昭和30年度 - 5両
- ? 1両 (タム298)タム971よりの改造車
- 日立製作所 1両 (タム299)
- 新潟鐵工所 1両 (タム229)
- 三菱重工業 1両 (タム230)
- 日本車輌製造 1両 (タム231)
- 昭和31年度 - 4両
- 川崎車輛 4両 (タム2200 - タム2203)
- 昭和32年度 - 4両
- 造機車輌 4両 (タム2204 - タム2207)
- 昭和37年度 - 2両
- ? 2両 (タム2208 - タム2209)タム3930、タム3939よりの改造車
タサ2200形
国鉄タサ2200形貨車 | |
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基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 | 日本国有鉄道 |
所有者 | 三井化学工業 |
製造所 | 若松車輌 |
製造年 | 1950年(昭和25年) |
製造数 | 1両 |
消滅 | 1963年(昭和38年) |
常備駅 | 大牟田駅 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | 二硫化炭素類 |
化成品分類番号 | 制定以前に形式消滅 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 7,800 mm |
荷重 | 22 t |
実容積 | 15.5 m3 |
自重 | 13.6 t |
換算両数 積車 | 4.0 |
換算両数 空車 | 1.6 |
台車 | TR20 |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,750 mm |
台車中心間距離 | 6,650 mm |
最高速度 | 75 km/h |
タサ2200形は、二硫化炭素専用の22t 積タンク車として1950年(昭和25年)11月22日に1両(タサ2200)のみが若松車輌にて製作された。
所有者は、三井化学工業でありその常備駅は鹿児島本線の大牟田駅であった。
車体色は黒色、寸法関係は全長は7,800mm、台車中心間距離は6,650mm、実容積は15.5m3、自重は13.6t、換算両数は積車4.0、空車1.6であり、台車はアーチバー式のTR20である。
1963年(昭和38年)4月3日に廃車となり同時に形式消滅となった。
- 1 国鉄タム200形貨車とは
- 2 国鉄タム200形貨車の概要
- 3 改造車
- 4 参考文献
- 国鉄タム200形貨車のページへのリンク