セイヨウハナズオウ セイヨウハナズオウの概要

セイヨウハナズオウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/06 08:00 UTC 版)

セイヨウハナズオウ
セイヨウハナズオウ(C. siliquastrum
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
亜科 : ハナズオウ亜科 Cercidoideae
: ハナズオウ属 Cercis
: セイヨウハナズオウ C. siliquastrum
学名
Cercis siliquastrum
L.

特徴

高さ12メートル、幅10メートルまで生長する。1年ごとに深い桃色の花をつけ、春遅くに幹でも咲き、幹生花の体をなす。春先に花が咲いてから葉が出る。葉はハート型だが角は鋭くなく、時どき先端に浅い切れ込みが入る。細長く平たい豆果)は、垂直方向にぶら下がる。

分類群

セイヨウハナズオウは1753年リンネ記載し、siliquastrumという種小名を付けた。この語は、「莢(豆果)」を表すラテン語siliquaからの派生である。

セイヨウハナズオウの変種亜種に次のようなものがある。

  • C. s. var. hebecarpa Bornm.
  • C. s. nothosubsp. yaltikirii (Ponert) Govaerts
  • C. s. var. siliquastrum

また、次のシノニムがある。

  • C. siliquastrum var. alba Weston
  • Siliquastrum orbicularis Moench

分布と生態

西アジアイランイラクイスラエルヨルダンレバノンシリア)や南欧トルコギリシャアルバニアブルガリアユーゴスラビアイタリアフランス)に自生。

雌雄同株虫媒花であり、によって受粉する。

栽培

セイヨウハナズオウは、肥沃で水捌けのよい、深い土壌を好み、満面の日光か、もしくは部分的な日蔭を好む。日照りにも耐性がある。 栽培品種に次のようなものがある。

  • アルバ 'Alba' - 白花
  • ボドナン 'Bodnant' - 赤紫(桃色と紫の中間色)
  • ルブラ 'Rubra' - 赤紫(桃色と紫の中間色)

ヨコバイカイガラムシアリマキ・キジラミ(殊にCacopsylla pulchella)といった害虫や、根こぶ病、癌腫病、バーティシリウム萎凋病などの病気に弱い。

播種挿し木・芽接ぎで繁殖する。

魅力的な木目のある硬質の木材が取れる。ベニヤ板に利用され、良いつやが出る。

「ユダの木」

セイヨウハナズオウは、キリスト教圏、特に欧米では「ユダの木」(英語: Judas tree, ドイツ語: gewöhnlicher Judasbaum)と俗称されるように、伝統的に、イスカリオテのユダ首吊りに使った樹木であると看做されてきた。このような通念は、フランス語の通称「ユダヤの木(フランス語: arbre de Judée)」からおそらく誤って派生したものであろう(「ユダヤの木」とは、この植物が地中海方面に自生していることに関連した表現である)。




「セイヨウハナズオウ」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「セイヨウハナズオウ」の関連用語

セイヨウハナズオウのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



セイヨウハナズオウのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのセイヨウハナズオウ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS