キー局 ローカル局

キー局

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/14 13:14 UTC 版)

ローカル局

ローカルセールス枠は系列ネットワークからの番組を買い取り、放送局が自ら営業し募ったスポンサーによる広告をつけて放送する。ただし、キー局などが所在する地域と比較して相対的に経済規模の小さい地方ではスポンサーが見つからないこともあるが、この場合は番組を買い取る費用がないため、当該ネットワークなどの各地で放送している番組であっても放送できない「未ネット」となってしまう。

報道番組についても他の番組と同様にキー局から供給されるが、ローカル局でも独自の報道番組を制作している事例がある。しかし、これらは総じて赤字であると言われている。

各系列の原則としてのキー局・準キー局(在名局含む)

種類 系列 キー局
東京関東広域圏
準キー局
大阪・近畿広域圏)
在名広域局
名古屋・中京広域圏)
備考
地上波テレビ放送
(”民放5系列”[注 14][注 15]
NNN/NNS 日本テレビ放送網(NTV) 讀賣テレビ放送(ytv) 中京テレビ放送(CTV) [* 1]
ANN テレビ朝日(EX) 朝日放送テレビ(ABC) 名古屋テレビ放送(NBN) [* 2]
JNN TBSテレビ(TBS) 毎日放送(MBS) CBCテレビ(CBC) [* 2]
TXN テレビ東京(TX) テレビ大阪(TVO) テレビ愛知(TVA) [* 3]
FNN/FNS フジテレビジョン(CX) 関西テレビ放送(KTV) 東海テレビ放送(THK) [* 4]
AMラジオ放送
中波放送[注 16]
JRN TBSラジオ(TBS) MBSラジオ(MBS)
朝日放送ラジオ(ABC)
CBCラジオ(CBC) [* 5]
NRN ニッポン放送(LF)
文化放送(QR)
大阪放送(OBC)
MBSラジオ(MBS)
朝日放送ラジオ(ABC)
東海ラジオ放送(SF) [* 5]
FMラジオ放送
超短波放送
JFN エフエム東京(TFM) エフエム大阪(FMO) エフエム愛知(FMA) [* 6]
JFL J-WAVE FM802 ZIP-FM [* 7]
MegaNet[注 17] [注 18] FM COCOLO [注 19] [* 8]

上記のほか、関東・中京・近畿の独立テレビ放送13局による組織全国独立放送協議会(独立協[8])があるが、基本的にニュースや放送番組の交換などが行われない為、ネットワーク組織として扱われていない(U13加盟局の一部が立ち上げた東名阪ネット6は将来の「6番目の系列作り」を念頭においた機構にするとしている)。

また、通常のネットワーク組織とは異なるが、教育放送番組の融通を行う機関として財団法人民間放送教育協会がある。

4大ネットワーク

上記に挙げた日本国内の民放テレビ局のキー局のうち、テレビ東京を除く4局を「4大キー局(在京4大キー局)」、それらの系列局を合わせて「4大ネットワーク」と呼ぶ事もある。

放送番組の売り上げ順は2002年度の『日本民間放送年鑑』によるとフジテレビ、日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビの順である。

テレビ東京が除外されるのは、他のネットワークと比べて歴史が浅く、系列局とその放送対象地域が小規模であることが理由である。放送局数では2番目に少ないテレビ朝日系列の4分の1にすぎない。しかし、その地域の狭さゆえ限られた顧客層に効果的に訴求できるとして「効率よい広告効果」を謳っている。なお、将来構想として系列局を増加させていく構想はあるが、具体的な計画策定には至っていない。

キー局制の問題点

有識者による指摘としては、以下のようなものがある。

  • 吉野次郎(日経BP記者)は、キー局はその系列ネットワークの力を背景にローカル局を支配しているとしている[9]
  • 堺屋太一(作家)は国会における参考人答弁にて、日本のキー局制度が東京一極集中の要因の1つになっているとしている[10]

  1. ^ 一般番組供給はNNSがある。
  2. ^ a b 1975年3月30日までJNNとANNの準キー局が互いに逆であった(ネットチェンジ参照)。一般番組供給はJNNにはTBSネットワーク、ANNにはテレビ朝日ネットワークがある。
  3. ^ TVO・TVAは府県域局
  4. ^ 一般番組供給はFNSがある。
  5. ^ a b キー局が全てを取り仕切る一方通行方式である為、準キー局は厳密には存在しない。また、MBS・ABCはクロスネット局
  6. ^ 各局とも都府県域局。番組制作会社であるジャパンエフエムネットワーク(JFNC)はキー局に近い形態で、地方局に多数の番組を供給している。
  7. ^ 各局とも都府県域局。なおJFLはキー局を置いていない(事実上の幹事局はJ-WAVE)。また、ネットワークとして密なものでなく、情報交換や一部番組交換にとどまる。
  8. ^ 各局とも放送地域は、各広域圏内の外国語放送実施地域。ネットワークとして密なものでなく、情報交換や一部番組交換にとどまる。民放連のホームページでは現在、残る2局の外国語放送局であるFM COCOLOとLOVE FMのみがMegaNetの加盟局として扱われている。

注釈

  1. ^ a b 「よりよい放送のために」(日本民間放送連盟)では、「在京キー5局」(日本テレビ放送網(株)、(株)TBSテレビ、(株)フジテレビジョン、(株)テレビ朝日、(株)テレビ東京)、「在阪準キー4局」((株)毎日放送朝日放送テレビ(株)、関西テレビ放送(株)、讀賣テレビ放送(株))、「在名広域4局」((株)CBCテレビ東海テレビ放送(株)、名古屋テレビ放送(株)、中京テレビ放送(株))、その他を「ローカル局」と分類している。
  2. ^ JFLにはキー局の概念が存在しないものの、全国ネット番組の多くに携わっているため、事実上。
  3. ^ TBS及び毎日放送については、共にかつて毎日新聞社との資本関係があったものの、業績不振により1977年に毎日新聞社が大半の株式を手放して以来、資本関係のない友好会社となっている。
  4. ^ a b c ただし、1951年12月開局時-74年3月まで、日テレとラジオ東京→東京放送(現・TBSホールディングス・TBSテレビ/ラジオ)とは、読売・朝日・毎日の大手3紙との共同資本関係があった(後に毎日新聞社が再建するに当たってはTBSが大株主の一つとなり、一定の報道協定関係はあるが、現在毎日新聞社との関係という点ではBSイレブンのほうが強い)。また新日本放送→毎日放送も開局当初は毎日新聞社が大株主だったほか、新旧分離による新聞発行業務を行うための事業会社を改めて設立した際は、毎日放送・TBSともに出資した関係がある。
  5. ^ a b 日本テレビの子会社にアール・エフ・ラジオ日本があるが、これは神奈川県のみを対象としたローカル局に過ぎず、関東広域圏を対象としているわけでも、全国ネットワークを形成しているわけでもない。開局当初は毎日新聞社と資本関係があり、定時ニュースも原則毎日新聞社からの協賛・記事提供を受けており、MBSラジオ(当時はラ・テ併営の新日本放送→毎日放送のラジオ局部門)とも番組の相互ネット供給関係があった。1978年プロ野球中継の関係協力強化のため)に新聞資本・ニュース協賛・記事提供を読売新聞社(東京本社)に譲渡。
  6. ^ スポーツ報知=持ち株会社読売新聞グループ本社が親会社であるが、持ち株会社の直系ではない。名古屋は読売新聞中部支社、福岡はスポーツ報知西部本社発行
  7. ^ a b また文化放送は朝日新聞社からの直接出資はないものの、日本教育テレビ(現・テレビ朝日)の設立時に文化放送・旺文社などがかかわっていたこともあり、元テレビ朝日役員が文化放送に役員として就任したほか、テレビ朝日・朝日新聞社との共催・後援するイベントもある。
  8. ^ 日刊スポーツ=北海道は北海道日刊スポーツ新聞社、名古屋・大阪・福岡は日刊スポーツ新聞西日本、沖縄県はフランチャイズ契約で沖縄タイムス社が発行
  9. ^ JNNキー局のTBSテレビおよび準キー局の毎日放送やCBCテレビ(旧・中部日本放送)とは他系列の関係や局名とは裏腹に現在は資本関係がない。特にTBSはラジオ東京の開局以来一貫して新聞色の払拭を意識してきた。
  10. ^ スポーツニッポン=持ち株会社・毎日新聞グループホールディングス直系(沖縄県はフランチャイズ契約で琉球新報社が発行)
  11. ^ 一般紙ではなく経済紙なのでスポーツ紙は直接の系列にないが、神戸新聞社発行のデイリースポーツとの販売・印刷委託を行っている(東京本社とは、東京タイムズが休刊した1992年以後委託印刷を締結。一時中断があった。2006年以後、大阪本社が神戸新聞社に印刷委託を開始し、兵庫県向けに配布している)。
  12. ^ サンケイスポーツ・夕刊フジとも、1970-87年までは分社化されていたが、現在は産経新聞社から直接発行している。
  13. ^ サンケイスポーツ東日本版は道新スポーツと提携し一部紙面共有。夕刊フジは夕刊紙専売のため大衆紙という見方もできる。
  14. ^ 東京都関東広域圏で、過去アナログ放送親局がVHF(超短波)で放送を行っていた地上波民放5局の系列。
  15. ^ テレビは関東キー局のリモコンキーID(国内一部地域は異なる)順。キー局やネットワークの設立順、ネット局数順、金額順ではない。
  16. ^ ラジオはネットワーク設立順。
  17. ^ 事実上の空中分解状態(MegaNetの記事を参照)[7]
  18. ^ キー局のInterFM897(interfm)が2020年9月にJFNの特別加盟局となり、同年11月からはJFNCからの番組供給、翌年4月からはJFNの在阪局エフエム大阪との相互ネット番組が多く編成されるようになった一方、COCOLOとのネット関係は解消された。
  19. ^ 2000年から2010年愛知国際放送(RADIO-i)が、2014年から2020年にはRadio NEOが存在した。NEOは開局当初InterFM名古屋支社(支局)が放送を行っていた。

出典






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