たんじゅう‐しきそ〔タンジフ‐〕【胆汁色素】
胆汁色素
ビリン
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 08:25 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動ビリン(英語: bilin)(ビラン又は胆汁色素)はポルフィリン類の代謝物としてたくさんの臓器で生成される生化学的な色素である。ビリン(ビリクロムとも呼ばれる)は、ヒトの胆汁(バイル)から名付けられたが、これらの物質はより下等な脊椎動物、無脊椎動物、紅藻、緑色植物、シアノバクテリアからも発見されている。ビリン類は、赤色、オレンジ色、黄色、茶色、青色、緑色を呈することができる。
構造
化学的にはビリン類は4つのピロール環(テトラピロール)が直線状に連なっている。ヒトの代謝においてはビリルビンはヘムの分解生成物である。ヒドロキシメチルビランは、ポルフォビリノーゲン(PBG)と(ポルフォビリノーゲンデアミナーゼとして知られている)ウロポルフィリノーゲンI合成酵素との生化学反応の主要生成物である。
ビリルビンは代表的な胆汁色素であり、破壊された赤血球から遊離したヘモグロビンのタンパク質部分から切り離されたヘムが、肝臓の細胞で黄色のビリルビンに変化したものである。ヒトに一般的なビリン系統のその他の胆汁色素は、尿中のウロビリン(黄色)、ヘム分解の最初の代謝物であるビリベルジン(緑色)、大便中のステルコビリン(茶色)などがある。
ビリンを持つ生物
紅藻、植物中の光合成色素フィコシアニンの発色団であるフィコシアノビリンは動物で発見されている。植物においてもビリン類は光受容体タンパク質であるフィトクロムの光色素として利用されている。
無脊椎動物のビリンの例として、ツユグモの緑色のもとであるミクロマタビリンがある[1]。
主な種類
出典
- ^ Oxford, G.S. & Gillespie, R.G. (1998). Evolution and Ecology of Spider Coloration. Annual Review of Entomology 43:619-643. doi:10.1146/annurev.ento.43.1.619
外部リンク
- Bilin - MeSH・アメリカ国立医学図書館・生命科学用語シソーラス(英語)
胆汁色素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/05 00:20 UTC 版)
破壊された赤血球から遊離したヘモグロビンのタンパク質部分から切り離されたヘムが、肝臓の細胞で代謝され黄色のビリルビンに変化する。ビリルビンは肝臓でグルクロン酸抱合を受けて水溶性が高められて胆汁色素として胆汁とともに分泌される。ビリルビンの大半は腸内で腸内細菌によりウロビリノーゲンに還元され、その一部が体内に再度吸収される。ウロビリノーゲンは抗酸化作用を有し、これが体内で酸化を受けると黄色のウロビリンに変化する。通常の尿の黄色はウロビリンによるものである。これらの循環は腸肝ウロビリノーゲンサイクルと呼ばれている。一方、腸内に残ったウロビリノーゲンは腸内細菌によりステルコビリノーゲンに還元される。ステルコビリノーゲンが酸化を受けると茶色のステルコビリンに変化する。ステルコビリンは大便とともに排泄され、大便が茶色になる要因となる。
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