様相論理とは? わかりやすく解説

様相論理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/27 23:23 UTC 版)

様相論理(ようそうろんり、: modal logic)は、いわゆる古典論理の対象でない、様相(modality)と呼ばれる「〜は必然的に真」や「〜は可能である」といった必然性や可能性などを扱う論理である(様相論理は、部分の真理値からは全体の真理値が決定されない内包論理の一種と見ることができる)。

その歴史は古くアリストテレスまで遡ることができる[1]:138が、形式的な扱いは数理論理学以降、非古典論理としてである。

様相論理では一般に、標準的な論理体系に「~は必然的である」ことを意味する必然性演算子

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(2018年8月)

アリストテレスの論理学は大部分がいわゆる三段論法に関わるものであり、古典論理の枠内で扱えるものであるが、有名な De Interpretatione (『命題論』)の海戦問題のように、時間と可能性に関わる発展的な議論も行っている。スコラ哲学では主に本質(essence)と付随的な性質(accident)の区別について、厳密な論理が展開された。中世の思想家の中で、様相論理に関わる重要な仕事をした人物としてはオッカムのウィリアムヨハネス・ドゥンス・スコトゥスが挙げられる。

今日の様相論理は、1918年の著書 A Survey of Symbolic Logic のなかで S1–S5 の公理系を導入した C・I・ルイスに始まる[5]1933年にはクルト・ゲーデルにより、必然性演算子カテゴリ


様相論理(構文論的特徴づけ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/28 14:28 UTC 版)

共有知識」の記事における「様相論理(構文論特徴づけ)」の解説

共通認識は、認識論的解釈される複数様相演算子をもつ多様相論理の体系において論理学的な定義を与えうる。命題レベルでは、このような体系命題論理拡張となっている。付け加えられるのは、エージェントたちの集団 G と、「エージェント i が知っているということ意味するものとする n 個の様相演算子 Ki (i = 1, ..., n) である。したがって Ki φ {\displaystyle \varphi } ( φ {\displaystyle \varphi } はこの論理における式)は、「エージェント i は φ {\displaystyle \varphi } を知っている」と読まれる。「G の全員知っている」という意味の演算子 EG を、 E G φ ⇔ ⋀ i ∈ G K i φ , {\displaystyle E_{G}\varphi \Leftrightarrow \bigwedge _{i\in G}K_{i}\varphi ,} によって定義することができるだろう。 E G E G n − 1 φ {\displaystyle E_{G}E_{G}^{n-1}\varphi } を E G n φ {\displaystyle E_{G}^{n}\varphi } と書省略記法を用い、また E G 0 φ = φ {\displaystyle E_{G}^{0}\varphi =\varphi } と約束することによって、共有知識を、 C φ ⇔ ⋀ i = 1 n E n φ , n = 1 , 2 , … {\displaystyle C\varphi \Leftrightarrow \bigwedge _{i=1}^{n}E^{n}\varphi ,\;n=1,2,\ldots } で定義することができる。 しかしここにはまだ問題残っている。認識論理言語はふつう有限的 (finitary) であるが、上の定義では共有知識を式の無限個の連言によって定めており、したがってこれはこの言語における論理式になっていない。この問題克服するため「不動点」(fixed-point) としての共有知識の定義が与えられる直観的に共有知識は「方程式E G ( φ ∧ C G φ ) {\displaystyle E_{G}(\varphi \wedge C_{G}\varphi )} の不動点とみなせる。こうして、 E G ( ψ ∧ C G φ ) {\displaystyle E_{G}(\psi \wedge C_{G}\varphi )} を含意する式 ψ {\displaystyle \psi } を見つけることができ、そこから極限において、 φ {\displaystyle \varphi } の共有知識推論することができる。 この「構文論的」な特徴づけには、いわゆるクリプキ構造」を通して意味論的な内容与えられるクリプキ構造は、 状態 (ないし可能世界) の集合 S, S × S 上に定義された n 個の「アクセス可能関係」(accessibility relations) R 1 , … , R n {\displaystyle R_{1},\ldots ,R_{n}} , これは直観的には、任意の所与の状態から、エージェント i が可能であると考える状態を表現する。 各状態において、言語原子命題それぞれに真理値割りあてる付値関数 π, によって与えられる知識演算子の意味論は、 K i φ {\displaystyle K_{i}\varphi } が状態 s で真であるのは ( s , t ) ∈ R i {\displaystyle (s,t)\in R_{i}} なるすべての状態 t で φ {\displaystyle \varphi } が真であるとき、またそのときに限る。と定めることで与えられる。すると共有知識演算子の意味論は、まずエージェント集団 G のそれぞれに対し、その G に属すすべてのエージェント i について Ri反射的かつ推移的閉包をとり、その 2 項関係を RG と呼ぶことにして、 C G φ {\displaystyle C_{G}\varphi } が状態 s で真であるのは、 ( s , t ) ∈ R G {\displaystyle (s,t)\in R_{G}} なるすべての状態 t で φ {\displaystyle \varphi } が真であるとき、またそのときに限る、と定めることで与えられる

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