デジタル信号とは? わかりやすく解説

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デジタル‐しんごう〔‐シンガウ〕【デジタル信号】

読み方:でじたるしんごう

情報電気パルス有無示した信号コンピューター利用。→アナログ信号


デジタルしんごう デジタル信号 digital signal

数値記号を、電圧・電流などの〔階段的な大きさ〕、〔パルス数〕などの とびとび物理状態に対応させて表した信号

デジタル信号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/02 00:43 UTC 版)

デジタル信号デジタルしんごう: digital signal)は時間振幅離散値をとる信号である[1]

概要

量子化標本化されたアナログ信号」「量子化された離散時間信号」「時間振幅離散値で定義された信号」はいずれもデジタル信号である[1]。例として「MP3形式で録音された声」「小数点1桁に丸められた最高気温系列」「波のシミュレーションデータ」はデジタル信号である。

個々の標本値が正確に測定されず(真に正確に測定するには無限の精度が必要である)、ある適当な精度で測定した場合、結果として得られるデータ列はデジタル信号である。多くの場合デジタル信号は2進数で表現されるため、量子化の精度の尺度としてビットが使われる。例えば、ある信号の値を十進で最大2桁で表したいとする。2進7ビットで128個の離散値を表せるので、7ビットあれば十進で100までの値を表すには十分と言える。

デジタル革命の進行に伴い、デジタル信号が活用される場面は急激に増えている(詳細はデジタル信号処理)。最近のメディア、特にコンピュータと接続可能なものは、連続信号だったものをデジタル信号で表していることが多い。例えば、携帯電話、ビデオプレイヤー、ビデオレコーダー、デジタルカメラなどがある。

定義

デジタル信号デジタルしんごう: digital signal)は時間振幅離散値をとる信号である[1]

エレクトロニクス用語とコンピュータ用語とでは指し示す内容が異なる[要出典]。エレクトロニクス用語でも、デジタル信号処理デジタル回路データ転送など、使用される文脈によって指し示す内容に幅がある[要出典]

関連語

離散信号

離散信号はデジタル信号と関連した異なる概念である。離散信号は離散時間信号とも呼ばれ、時間離散化された信号である。そのため振幅離散化されているか否かを問わない。これが振幅の離散化(=量子化)がなされているデジタル信号との違いである[1]

アナログ信号

アナログ信号はデジタル信号と対照的な概念である。アナログ信号は時間振幅が連続つまり離散化されていない。よって両者が離散化されているデジタル信号の対義語である[1]

デジタルデータ

デジタルデータはデジタル信号と関連した異なる概念である。デジタル信号とデジタルデータの違いは、デジタル信号が伝送あるいや転送など処理されているデジタル情報に視点があり、時間軸を意識した概念である。対して、デジタルデータは、デジタル処理で得られたデジタル情報そのものを指し、保管されたデジタル情報のひとかたまりを指すなど、時間軸における変化を意識しない。デジタル信号をデジタルデータと表現する場合はあるが、その反対は通常ない[要出典]

デジタルシステムでの波形

デジタル信号: 1) ローレベル、2) ハイレベル、3) 立上がりエッジ、4) 立下りエッジ

コンピュータ・アーキテクチャや他のデジタルシステムにおいて、2つの電圧レベルを行ったり来たりする波形ブーリアンの値(0 と 1)を表し、これをデジタル信号と呼ぶ。波形を詳細に見ると実際にはアナログ波形であるが、2つの電圧レベルを表現する手段であることから、これをデジタル信号と呼ぶのである。

クロック信号は、デジタル回路の同期に使われる特殊なデジタル信号である。絵で示されている波形はクロック信号の波形と見てもよい。ロジックの状態は立上がりエッジか立下りエッジをきっかけ(トリガー)として変化する。

二値状態は、一般的には電圧で表されるが、一部のロジックでは電流レベルで表されることもある。

ロジックレベル

電圧レベル、電流レベルのいずれを使用するとしても、「しきい値」がそれぞれのロジックで決まっている。しきい値より値が低い場合は "low"、高い場合は "high" と認識される。デジタル回路では、どちらとも判断されない値の範囲があり、その範囲は各部品の許容差よりも広い。回路ではその範囲を無視し、どちらともつかない結果を生じないようにする(⇒競合状態)。

電圧レベルはある程度の許容範囲があるのが普通である。例えば、0 から 2 ボルトが Low電圧、3 から 5 ボルトが High電圧とする。この場合、2 から 3ボルトは不正な電圧であり、何らかの故障のときか、ロジックの電圧レベルが変化する一瞬だけ生じる。一般に回路は完全ではないので電圧レベルの変化には時間がかかる。このような不正な電圧を検出できる回路もあるが、多くの場合、そのような電圧をランダムに 0 や 1 と認識することになる。

電圧レベルは2進整数値か 0 または 1 を表す。アクティブ High ロジック(正論理)では、Low電圧が 0 を表し、High電圧が 1 を表す。アクティブ Low ロジック(負論理)では逆に表現される。

バイナリ電圧レベルの例:
テクノロジ L 電圧 H 電圧 備考
CMOS 0V - VCC/2 VCC/2 - VCC VCC = 供給電圧
TTL 0V - 0.8V 2V - VCC VCC は 4.75V - 5.25V
ECL -1.175V - -VEE .75V - 0V VEE は約 -5.2V VCC=接地電圧

脚注

  1. ^ a b c d e "離散時間信号のうち ... 振幅が離散値である信号をディジタル信号という." p.2 より引用。越田, 俊介 (2008), “ディジタル信号処理の基礎理論”, 電子情報通信学会『知識の森』, https://www.ieice-hbkb.org/files/ad_base/view_pdf.html?p=/files/01/01gun_09hen_01m.pdf 

関連項目

外部リンク


デジタル信号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/12/11 13:38 UTC 版)

ジッター」の記事における「デジタル信号」の解説

デジタル信号では、基準クロック信号データ波形位相揺らぎによって起き最悪場合には受信側でのデータエラーなどの原因となる。デジタル信号でのジッタは、ランダムジッタデターミニスティックジッタ分類できるランダムジッタ ランダムジッタ (Random jitterRJ) は正規分布に従う時間軸方向での信号波形揺らぎであり、データ信号クロック信号波形ランダムな時間的揺らぎ含まれることで生じる。高速化したデジタル信号の伝送では、信号波の立ち上がりと立ち下がりの傾き変化位相揺らぎ要素となるために、電源電圧グランド電圧乱れランダムジッタ原因となる。 デターミニスティックジッタ デターミニスティックジッタDeterministic jitterDJ、ディタミニスティクジッタ、確定的ジッタ決定論的ジッタ限定ジッタBounded Jitter)はデータクロック依存して受信信号波形タイミング変化するジッタであり、同一データクロックでは常の一定のジッタ生じ性質のものであるシンボル間干渉 (Inter-symbol interference, ISI) とも関連するRJDJ合わせてトータルジッタと呼ばれるジッタ高速デジタル伝送におけるシグナルインテグリティ (Signal integrity, SI) に関わる要素である。

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「デジタル信号」を含む「ジッター」の記事については、「ジッター」の概要を参照ください。

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