V-1の戦略的意義とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > V-1の戦略的意義の意味・解説 

V-1の戦略的意義

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 15:36 UTC 版)

V1飛行爆弾」の記事における「V-1の戦略的意義」の解説

V-1現在の巡航ミサイル始祖ともいえるものであるしかしながら当時制御技術ではV-1での精密誘導不可であった。よって、事後評価としては、ロンドンへ都市爆撃ではなく戦略地域への攻撃振り向けていれば、より大きな効果があっただろうから、ノルマンディー上陸作戦でも艦船集中する港湾地区攻撃目標選んでいれば、上陸戦への脅威になり得たではないか、との意見もある。 V-1は、プロペラ機迎撃可能な高度を、追撃可能な600km/h程度飛翔してくるため、イギリス軍による迎撃可能だったロンドン市民は平穏な生活が妨げられ市民生活には大きな脅威となったが、ヒトラーもくろんだ戦意喪失にまでは至らせなかった。 なお、ドイツ報復兵器のうち、V-2陸軍所管推進したに対してV-1空軍所管した。これは、V-2ロケットで「巨大高性能砲弾」とみなされたのに対してV-1飛行爆弾で「無人飛行機」と考えられたからである。 構造複雑なV-2ロケット比較すると、爆弾搭載量の割に構造簡素コスト安く簡単に製造できるので大量生産され、実戦投入された。V-1V-2のおよそ1/10の費用開発生産されV-2とは異なり入手比較容易な燃料のみが必要で、徐々に蒸発する極低温液体酸素のような酸化剤不要であったそれでいて弾頭重量は850kgあり、V-2比較して破壊力遜色なかった。終戦までに24200機のV-1発射されたのに対し発射されV-23500機だった。これを平均すると、V-1は110機/日で、V-216機/日の発射であった。なお、実質的に与えた損害は、V-2よりもV-1の方が多かった事が戦後の調査判明している。これは、V-1弾頭V-2弾頭のように大気圏再突入に伴う加熱がないため飛行中暴発しづらく、またV-2弾頭垂直に近い角度高速建物地面陥入してから爆発するので爆風緩和されたが、V-1弾頭比較的浅い角度低速突入し建物表面付近爆発するので爆風の及ぼす範囲広かった。さらにV-2前触れなく突然落下するのに対しV-1発する特有の音は上述のとおり一般市民恐怖もたらす心理的な効果があった。このようにV-1V-2よりも、様々な点で費用対効果優れた兵器だった。

※この「V-1の戦略的意義」の解説は、「V1飛行爆弾」の解説の一部です。
「V-1の戦略的意義」を含む「V1飛行爆弾」の記事については、「V1飛行爆弾」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「V-1の戦略的意義」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「V-1の戦略的意義」の関連用語

V-1の戦略的意義のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



V-1の戦略的意義のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、WikipediaのV1飛行爆弾 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS