テッド・ジェンセンとは? わかりやすく解説

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テッド・ジェンセン

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/27 04:02 UTC 版)

テッド・ジェンセン
Ted Jensen
テッド・ジェンセン(2013年)
基本情報
生誕 (1954-09-19) 1954年9月19日(71歳)
出身地 アメリカ合衆国 コネチカット州ニューヘイブン
職業 マスタリング・エンジニア
活動期間 1976年 -

テッド・ジェンセンTed Jensen1954年9月19日 - )は、アメリカ合衆国出身のマスタリング・エンジニアニューヨークのスターリング・サウンド(Sterling Sound)[1]所属のチーフエンジニア。現在、業界中で最多のマスタリング要請がある[2]

スターリング・サウンド

ハイラインとチェルシーマーケット

ジェンセンの所属するスターリング・サウンドは、ニューヨーク市マンハッタン島内のチェルシー界隈に近接し、ハイライン沿いのチェルシーマーケットを内包するブロックに位置する。各エンジニア別の5.1chサラウンドスタジオが3部屋[注釈 1]あり、ジェンセンのスタジオにはBowers & Wilkins社製のNautilus 801が5本設置され、それぞれを4台[注釈 2]のClassé Audio社製Omega Mono[4]パワーアンプで駆動している。ステレオマスタリングに於ける、スターリング・サウンドの特色としては、独自に開発したアナログマスタリング卓の他、各スタジオにエンジニア別のカスタマイズが施してあり、「アナログ-デジタルの各回路間」、「真空管半導体のそれぞれのコンプレッサーイコライザー間」、「各種アナログ-デジタル変換回路間」を自由に行き来し、聴き比べることができる[5]

グラミー賞

ジェンセンは、第45回グラミー賞に於いて、マスタリング・エンジニアとしては史上初の最優秀アルバム賞[注釈 3]を受賞している[8]

ラウドネス・ウォー

LPCD普及率[9]が100%になって以来、マスタリングに於けるダイナミックレンジは、1990年代を期に一気に犠牲の一途を辿り[10]、その商業的大義名分を優先させるあまりマスタリング業界は「ラウドネス・ウォー」の第一線となってきた[11]。2000年代に至っては、その傾向はさらに著しく、高域難聴を訴える若者も急増し、相関性の真偽が検討されている[12]。そういった背景のもと、2008年9月、ジェンセンの手がけたメタリカのアルバム『デス・マグネティック』の全楽曲がCDとギターヒーロー3の配信版[注釈 4]とで相互に比較され、話題になった[14][15]。さらに、メタリカファンBBSにジェンセンからのコメントが掲載され、CD版のマスタリングに彼自身が満足のいくものではなかった事[注釈 5]や、「何らかの形で」このボリューム事情に対抗する良策を祈願する旨が明らかになる[17]。その後、13,000人[注釈 6]が、同アルバムのリマスタリングを要請するオンラインペティッション署名を行った[注釈 7]

音圧高騰の変遷, ビートルズの「サムシング」を例に、1983年以降リリースされたCD4枚の波形比較。

主な参加作

洋楽作品

アーティスト別作品一覧
アーティスト タイトル リリース形態 発売年
AC/DC 『悪事と地獄』 - Dirty Deeds Done Dirt Cheap 1981年
アダム・ランバート フォー・ユア・エンターテイメント』 - For Your Entertainment 2009年
アヴリル・ラヴィーン グッバイ・ララバイ』 - Goodbye Lullaby 2011年
B.B.キング ライヴ・アット・ジ・アポロ』 - Live at the Apollo アルバム 1991年
ビリー・ジョエル ストレンジャー』 - The Stranger アルバム 1977年
ビョーク ヴォルタ』 - Volta アルバム 2006年
ブリンク 182 California 2016年
ボン・ジョヴィ バウンス』 - Bounce 2002年
シカゴ 『シカゴ13』 - Chicago 13 1978年
シンディ・ローパー 『アット・ラスト』 - At Last 2003年
コールドプレイ ゴースト・ストーリーズ』 - Ghost Stories 2014年
ダイアナ・ロス 『ロス』 - Ross 1978年
ドリーム・シアター イメージズ・アンド・ワーズ』 - Images and Words 1992年
デュラン・デュラン 『オール・ユー・ニード・イズ・ナウ』 - All You Need Is Now 2010年
イーグルス ホテル・カリフォルニア』 - Hotel California 1977年
エリック・クラプトン ジャーニーマン』 - Journeyman 1989年
フォリナー ベスト・オブ・フォリナー』 - Records 1982年
フランク・シナトラ 『デュエッツ』 - Duets 1993年
グリーン・デイ ウォーニング』 - Warning 2000年
ガンズ・アンド・ローゼズ "Absurd" シングル 2021年
ジェームス・テイラー 『ビフォア・ディス・ワールド』 - Before This World 2015年
ジェニファー・ロペス 『J.LO』 - J.Lo 2001年
キッス 〜エルダー〜 魔界大決戦』 - Music from "The Elder" 1981年
コーン 『ザ・パス・オブ・トータリティ』 - The Path of Totality 2010年
マシーン・ヘッド 『ブラッドストーン・アンド・ダイヤモンズ』 - Bloodstone & Diamonds 2014年
マドンナ バーニング・アップ』 - Madonna 1983年
マリリン・マンソン メカニカル・アニマルズ』 - Mechanical Animals 1998年
マルーン5 イット・ウォント・ビー・スーン・ビフォー・ロング』 - It Won't Be Soon Before Long 2007年
マシュー・ウェスト Into the Light 2012年
メガデス 『スーパー・コライダー』 - Super Collider 2013年
メタリカ デス・マグネティック』 - Death Magnetic 2010年
マイルス・デイヴィス ドゥー・バップ』 - Doo-Bop 1992年
マイク・アンド・ザ・メカニックス 『ワード・オブ・マウス』 - Word of Mouth 1991年
ミューズ ザ・セカンド・ロウ〜熱力学第二法則』 - 2nd Law 2012年
マイ・ケミカル・ロマンス 『メイ・デス・ネヴァー・ストップ・ユー』 - May Death Never Stop You: The Greatest Hits 2001-2013 2014年
ニッケルバック 『ノー・フィックスド・アドレス』 - No Fixed Address 2014年
ノラ・ジョーンズ ノラ・ジョーンズ』 - Come Away with Me
オフスプリング 『デイズ・ゴー・バイ』 - Days Go By 2012年
ポール・マッカートニー NEW』 - New アルバム 2013年
ポール・サイモン ワン・トリック・ポニー』 - One-Trick Pony 1980年
パット・メセニー シークレット・ストーリー』 - Secret Story 1992年
プラズマティックス Metal Priestess 1981年
プロコル・ハルム 放蕩者達の絆』 - The Prodigal Stranger 1991年
R.E.M. 『アップ』 - Up 1998年
リンゴ・スター 想い出のリヴァプール』 - Liverpool 8 2008年
ロッド・スチュワート 明日へのキック・オフ』 - Foot Loose & Fancy Free 1977年
ローリング・ストーンズ 女たち』 - Some Girls 1978年
サンタナ 『シャンゴ』 - Shangó 1982年
シェリル・クロウ 『Live at 武道館』 - Live at Budokan 2003年
スティクス 『ピーシズ・オブ・エイト - 古代への追想』 - Pieces of Eight 1978年
スリップノット 『アンテナズ・トゥ・ヘル』 - Antennas to Hell 2012年
Sum 41 スクリーミング・ブラッディ・マーダー』 - Screaming Bloody Murder 2011年
ティアーズ・フォー・フィアーズ 『ザ・ティッピング・ポイント』 - The Tipping Point 2022年
トーキング・ヘッズ スピーキング・イン・タングズ』 - Speaking in Tongues 1983年
ポリス ゴースト・イン・ザ・マシーン』 - Ghost in the Machine 1981年z
トキオ・ホテル Scream 2007年
TOTO タンブ』 - Tambu 1995年
アンダーオース 『ロスト・イン・ザ・サウンド・オブ・セパレイション』 - Lost in the Sound of Separation 2008年
ウィーザー 『エヴリシング・ウィル・ビー・オールライト・イン・ジ・エンド』 - Everything Will Be Alright in the End 2014年
ザ・フー フェイス・ダンシズ』 - Face Dances 1981年


邦楽作品

アーティスト別作品一覧
アーティスト タイトル リリース形態 発売年
イエロー・マジック・オーケストラ UC YMO 2003年
石野卓球 『The Rising Suns』 2004年
井上陽水 『YOSUI BOX Remastered』 2017年
上杉昇 世界が終るまでは… (2022ver.) 』 2022年
UVERworld LAST 2009年
宇多田ヒカル First Love アルバム 1999年
N.M.L. ZERO LANDMINE シングル 2001年
大江千里 Giant Steps 1994年
the GazettE DOGMA 2015年
Coldrain The Revelation 2013年
久保田利伸 BUMPIN' VOYAGE 1995年
倉木麻衣 Mai Kuraki Single Collection 〜Chance for you〜』(Disc-2のみ) 2019年
斉藤和義 45 Stones 2010年
サカナクション 『月の椀』 2015年
坂本龍一 BTTB 1998年
サザンオールスターズ 葡萄 2015年
佐野元春 『MOTOHARU SANO THE COMPLETE ALBUM COLLECTION 1980-2004』 2021年
シド レイン 2010年
Supercell ZIGAEXPERIENTIA 2013年
CHAGE and ASKA DOUBLE 2007年
TK from 凛として時雨 unravel 2014年
東京スカパラダイスオーケストラ Walkin' 2012年
浜田省吾 Journey of a songwriter 〜 旅するソングライター 2015年
Bank Band 沿志奏逢4 2021年
VAMPS Bloodsuckers 2014年
BABYMETAL LIVE AT BUDOKAN 〜RED NIGHT〜 2015年
BOØWY BOØWY+1 2015年
布袋寅泰 STILL ALIVE 2010年
松任谷由実 YUMING SPECTACLE SHANGRILA 1999 2004年
Mr.Children Mr.Children 2001-2005 <micro> アルバム 2012年
Mr.Children Mr.Children 2005-2010 <macro> アルバム 2012年
Mr.Children [(an imitation) blood orange] アルバム 2012年
Mr.Children REFLECTION アルバム 2015年
宮本浩次 冬の花 2019年
矢野顕子 ホントのきもち 2004年
ゆず BIG YELL 2018年
吉井和哉 Blue Apples ~Born Again~ 2012年
米津玄師 Lemon 2018年
渡辺美里 Lovin' you -30th Anniversary Edition- 2016年
渡辺美里 Sweet 15th Diamond 2000年
ONE OK ROCK 35xxxv 2015年

脚注

注釈

  1. ^ 他に、ステレオマスタリング用のスタジオが、最低5部屋紹介されている[3]
  2. ^ 5本設置されている筈のNautilusには、パワーアンプのチャンネル数が1ch分足りていないが、ここではスターリング・サウンドのオフィシャルサイト英語版に基づいている。また、サブウーファーに関する記述も見当たらないので、ここでは控える。
  3. ^ 受賞作品となったのは、ノラ・ジョーンズの『ノラ・ジョーンズ (Come Away with Me)』[6]。この賞の対象者は、アーティストとプロデューサーの他に、レコーディング、ミックス、マスタリングの各エンジニア[7]
  4. ^ ギターヒーロー3版はジェンセンのマスタリングではなく、自身の手がけたCDよりも音質が遥かに優れていることを認めている[13]
  5. ^ スターリング・サウンドに2chマスターが届いた時点で、かなりのブリック・ウォールリミッティングが掛けられていたともコメントしている[16]
  6. ^ 2008年10月1日現在[18]
  7. ^ 同アルバムは、2010年9月のメタリカ来日記念[19]の際にSHM-CD版がリリースされ、マスタリングに再度ジェンセンがクレジットされている[20]

出典

外部リンク




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