ペーサー【pacer】
読み方:ぺーさー
⇒ペースメーカー1
PACER
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 22:20 UTC 版)
2008年、スワーツは、連邦裁判所の訴訟情報公開システム PACER(英語版)(Public Access to Court Electronic Records) から約20%に当たるデータをダウンロードして、公表した。このデータベースは、アメリカ合衆国連邦裁判所の書類データベースで、合衆国裁判所事務局(英語版)が管理していた。 ハフィントン・ポストの報道によると、スワーツは、「課金サービスの外から利用できるように、PACERシステムから裁判所の公的書類をダウンロードした。その動きはFBIの注意を引いたが、書類は事実上公開されてあったとして、最終的に告訴しない決定がなされた」。 PACERは、1ページにつき8セントの情報料を請求した。非営利団体のPublic.resource.orgを創設したカール・マラマッドは、政府が作成した書類には著作権が適用されないので、情報料は無料であるべきだと主張した。また、ニューヨーク・タイムズは、料金は「裁判所が技術に再投資するために使われるが、裁判所の報告書によると、システムは1億5000万ドルの黒字だった」と報道した。PACERが使用している技術は「甲高い音がする電話モデムを使った時代遅れの設計で、金儲けと継ぎ接ぎだらけのおんぼろシステムの壁の向こうに、国の法律制度がおかれていた」。マラマッドは、仲間の活動家に合衆国第七控訴裁判所図書館に行って、PACERシステムの無料トライアルで裁判所の書類をダウンロードし、公開するために自分に送るように要請した。 マラマッドの檄文を読んだ後、スワーツは、シカゴの合衆国第七控訴裁判所図書館に行って、Perlスクリプトをインストールした。2008年9月4日から20日にかけて、スワーツは、約1800万件の書類にアクセスして、クラウドコンピューティングサービスにアップロードした。彼がマラマッドのPublic.resource.orgに公開した書類は、1985万6160ページに及んだ。 2008年9月29日、合衆国政府印刷局(GPO)は、プログラムの「評価が終了するまで」無料の試用制度を中止した。スワーツはその後FBIに捜査され、事件は2ヵ月後に不起訴で終了した。スワーツは情報公開法に基づいた請求をFBIに行っていたので、捜査の詳細を学んでいた。そして、FBIの反応を「いつも酷く混乱していて、FBIがユーモアのセンスに欠けていることを示している」と表現していた。PACERは今でも1ページあたりの料金を請求するが、消費者にはMozilla FirefoxのRECAPプラグインを使って、文書を保存して無料公開することができる。 2013年にインターネットアーカイブでスワーツを偲ぶ会が行われた。スワーツの協力者のカール・マラマッドは、PACERに対する彼らの努力を以下のように回想した。 私たちは、2000万ページの…裁判所の文書を…ペイ・ウォールから運び出しました。私たちは(彼らによる)プライバシー侵害がはびこっていることを見つけました。未成年の子供の名前や、情報提供者の名前、……私たちはその結果を31箇所の地方裁判所の主任裁判官に送りました。彼らは書類を修整し…書類を持っている弁護士達に警告しました。 合衆国司法会議は自分達のプライバシーポリシーを変更しました。
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