PAC-3弾とは? わかりやすく解説

PAC-3弾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 06:00 UTC 版)

パトリオットミサイル」の記事における「PAC-3弾」の解説

弾道ミサイルとして開発がほぼ終わっていたERINTミサイルExtended Range Interceptor Missile)を既に発射機として実績があったパトリオット発射システム載せたのがPAC-3である。PAC-3弾はPAC-2シリーズより直径細く今までは1発が入っていたミサイル・キャニスターに4発が格納できるため、1発射機あたりPAC-3弾を最大16搭載できる小型化されたことにより、対航空機への射程半減した弾道ミサイル対処時は、近接信管だけではなくヒット・トゥ・キル(Hit-to-kill)、つまりPAC-3弾の弾体全体目標弾道ミサイル直接衝突させ、その運動エネルギーによって目標粉砕破壊する方式採用されている。また、動翼による姿勢制御だけではなくACMAttitude Control Motors)と呼ばれるサイドスラスター前部装備しており、動翼での制御効き難い高高度での機動性高めている。最終誘導Kaバンドのアクティブ・レーダー・シーカーにより行われる航空機空対地ミサイル巡航ミサイル対処時は、リサリティ・エンハンサと呼ばれる弾頭使用する弾道弾対処時は使用しない)。これは、直撃寸前時に弾体の胴径方向低速225グラム金属ペレット24個を放出し見かけ上のミサイル胴径を増加させて対処能力を向上させたもので、従来破砕飛散弾頭とは根本的に設計思想異なっている。 PAC-3は、航空機空対地ミサイル対す対処時の射程のみ従来のPAC-2シリーズに譲るものの(目標撃破能力同等とされる)、弾道ミサイル対処能力併せ持つ複合型防空システムにパトリオット・システムを生まれ変わらせた。 PAC-3弾の性能向上型として、MSEMissile Segment Enhancementミサイル部分強化型)の開発進められている。これは、ロケットモーター操舵フィン変更することで、最大50%の射程延長機動性の向上を目指したもので、2011年5月には発射実験成功2012年12月には迎撃実験成功している。 派生型として、射程延伸型PAC-3弾を用いた自走式野戦防空システムである中距離拡大防空システムがある。

※この「PAC-3弾」の解説は、「パトリオットミサイル」の解説の一部です。
「PAC-3弾」を含む「パトリオットミサイル」の記事については、「パトリオットミサイル」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「PAC-3弾」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「PAC-3弾」の関連用語

PAC-3弾のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



PAC-3弾のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのパトリオットミサイル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS