PET樹脂発泡体とは? わかりやすく解説

PET樹脂発泡体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 08:23 UTC 版)

発泡プラスチック」の記事における「PET樹脂発泡体」の解説

ポリエチレンテレフタレート(PET)の発泡品は、1960年代以降PETシート開発平行して進展し発泡フィルム製造法押出成形法が工業化された。このような背景から、PET樹脂発泡体(PETフォーム)はシート成形品が主流占める。PET高倍発泡難しく、ほとんどの場合フォーム発泡倍率は2倍以下に留まる原材料 発泡フィルム製造法では、主原料PET混入させた異種ポリマー無機微粉末が発泡促す押出成形法では、分解発泡剤として5-フェニルテトラゾーンやポリカーボネート(PC)を併用する製法・性能・用途 発泡フィルム製造法は、二軸延伸技術基礎とした製法である。異種材料類を混入したPETフィルム溶融押出成形法にて製造し急速に冷却すると、PET結晶進まないまま固化した状態に留まる。これを二軸延伸させると、PETフィルムボイド生じながら配向し、機械的性質高まりながら微細な気泡を伴うフォーム化する。これを熱固定させる工程通して高分子結晶化させる。この製法得られるフォーム発泡倍率は低いが光拡散効果優れ液晶ディスプレイバックライト反射板などに使用される押出成形法は、基本的に他の合成樹脂と同じ手法取られシート状の成形品が得られる。しかし直鎖状の分子構造を持つPET溶融時の粘度および弾性低く安定した気泡得にくい傾向にある。そのため分子量高めた原料PET用い必要があるが、C-PETなどで採用される固相重縮合法では不充分であり、チェーンエクステンダーを使用したリアクティブプロセッシングによって変性し更なる高分子化施されPET使われる発泡成形二段法と一段法があり、あらかじめ発泡剤混入したPET樹脂再度押出す一段法比べ押出機内溶融状態の原料発泡剤圧入する一段法厚さ比較的高い発泡倍率製品を得ることができる。この製法得られシートはPSPなどと同様に二次加工施されトレイなど容器使われるが、高分子化したPET特性から耐熱性断熱性優れ電子レンジなど加熱調理機器使用適応する

※この「PET樹脂発泡体」の解説は、「発泡プラスチック」の解説の一部です。
「PET樹脂発泡体」を含む「発泡プラスチック」の記事については、「発泡プラスチック」の概要を参照ください。

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