ONE PIECE関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 10:41 UTC 版)
「尾田栄一郎」の記事における「ONE PIECE関連」の解説
『ONE PIECE』は少年のものであるべきと考え、「作中で恋愛を描かない」、「殺人や死亡シーンをなるべく描かない」、「戦いの後には仲間たちとの楽しい宴が始まる」といった制約を設けて執筆している。また、毎週15歳の頃の自分が楽しめるか確認している。 『ONE PIECE』というファンタジーの世界で、どこかにリアリティを求めるとすれば、それは人間の感情だと思っている。そこはしっかり守っていかないと、全部嘘っぱちになると語る。 『ONE PIECE』のラストは連載前から決めてある。最終章が一番盛り上がる漫画にする。担当編集者の引継ぎの際には毎回、尾田から担当に直接、ラストまでの大まかなストーリーラインを提示する。2010年7月の時点で物語の半分くらい。 今後『ONE PIECE』以外の長編はもう描かないと決めている。理由は、体力的に次の長期連載をやるのは無理だから。 『ONE PIECE』は当初5年で完結させる予定だった。新しい島に行けば新しい仲間がいてすぐに仲間になってくれるから、1年半で仲間は全員集まるだろうとゲーム感覚で考えていたからである。ところが、キャラクターたちはゲームではなく、人間だった。麦わら帽子をかぶった手足が伸びる人間が現れて「海賊になろう」と言われても、仲間になってはくれない。相当なエピソードがなければ、仲間になろうとは思えない。そこが大きな誤算だったという。 『ONE PIECE』はラストが決まっている以上、早く最後の画に行き着きたいという気持ちがどこかにある。しかし、キャラクターの気持ちは一人一人丁寧に考えて描きたいし、それを捨て駒のように扱いたくもないから、いざ描くとなるとどうしても長くなってしまうと語る。 『ONE PIECE』が予想以上の長寿漫画となったことで、新たに、「読者が卒業することなくずっと読み続けて、それぞれ家庭を持ち子供が出来たら親子で一緒に読んで欲しい」という野望ができた。 『ONE PIECE』の新しいシリーズを始めるときは、毎回新しく漫画を描くつもりでやっている。一休みして別の漫画を始めても、この漫画で全部やってしまっても、作家としてのやりたいものの消化という意味では同じだと考えている。 『ONE PIECE』の主人公とは長い付き合いになると思ったので、尾田の中で一番作りこまずに、自然に描けたキャラクターがルフィとなった。しかし、作りこまなかった分、本当の姿も模索していた。尾田が初めてルフィの本当の姿に気付いたのは、ウソップ編になってから。ウソップがクラハドールを殴った後、第25話でルフィが子供たちと一緒になって「ばーか!!」と言ったとき、「あ、ルフィって子供なんだ」と気付いた。それまでは17歳の冒険好きの少年という設定が頭の中にあり、理屈でゴチャゴチャとキャラクターを考えていたのだが、ルフィは自分の理想の子供を描けばいいんだと気付いてからは、ルフィは勝手に動き、喋り、笑い、怒るようになっていったという。 尾田は、ルフィの兄であるエースが死を迎える場面を描いたことについて「本当に悩みました」「読者の反響は僕の想像以上でした」と振り返っている。尾田はこのシーンを描いたことについて「ルフィが前に進むためには、大きな試練を経験させる必要があった」と語り、「僕もルフィと一緒に乗り越えなければいけない所でした」「楽しいばかりでは、長い連載はやっていけないんです」と明かしている。 ルフィたちに「2年間の修業期間」を設けたことについては、「四皇などの敵に勝つには、2年間が必要だった」「17歳のルフィでは勝てるはずがなかった」と明かしている。仲間たちと再会までの期間を「2年」としたのは、「ルフィをそこまで大人にしたくなかった。少年漫画であることにこだわりたかったんです」と述べている。
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