Isotopes of carbonとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Isotopes of carbonの意味・解説 

炭素の同位体

(Isotopes of carbon から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/19 16:55 UTC 版)

炭素の同位体には、炭素8から炭素22まで15種類が知られており、そのうち2種類(炭素12炭素13)が安定である。長寿命の放射性同位体である炭素14半減期は5700年である。これは天然でみられる唯一の炭素の放射性同位体で、宇宙線との相互作用による14N + 1n → 14C + 1Hという反応で、痕跡量が生成している。最も安定な人工放射性同位体は炭素11で、半減期は20.334分である。その他の全ての放射性同位体の半減期は20秒以下であり、ほとんどが200ミリ秒以下である。最も不安定な同位体は炭素8で、半減期は10×10-21秒である。天然の存在量の平均をとった、炭素の標準原子量は、12.0107(8) uである。

炭素11

炭素11は、炭素の放射性同位体である。約99%は陽電子放出してホウ素11に、0.19-0.23%は電子捕獲してやはりホウ素11に崩壊する[1][2]。半減期は20.38分である。

炭素11は、ポジトロン断層法で分子の放射性ラベリングによく用いられる。

天然同位体

炭素には、炭素12、炭素13、炭素14の3つの天然同位体が存在する。炭素12と炭素13は安定で、天然の存在比は、約99:1である。炭素14は、大気上層で宇宙線からの熱中性子により生成し、地表に下降して生物に吸収される。炭素14の存在比は無視できる程度であるが、半減期5700年の放射性を持つため、放射計で検出することができる。死んだ組織は、それ以上炭素14を吸収しないため、炭素14の存在量は放射年代測定に用いることができる。

古気候

12Cと13Cは海洋循環を説明する温度トレーサーとして使われる。より軽い同位体(12C)の方が、植物が光合成するときに吸収されやすいことが分かっており、そのときのプランクトン(浮遊生物)の大発生により大量の12Cが海に取り込まれる。もし海水が成層化して海洋循環が滞ると、プランクトンの死滅によって12Cが海底に沈降し、表層は比較的多くの13Cで満たされる。そして、深い場所から冷水がわき上がる場所(北大西洋)から12Cがもたらされる。過去の気候のトレーサーには熱帯種、サンゴの成長環などがある(Flannery 2005)。

一覧

同位体
核種
Z(p) N(n) 同位体質量 (u) 半減期 核スピン数 天然存在比 天然存在比
(範囲)
励起エネルギー
8C 6 2 8.037675(25) 2.0(4) x 10-21 s [230(50) keV] 0+
9C 6 3 9.0310367(23) 126.5(9) ms (3/2-)
10C 6 4 10.0168532(4) 19.290(12) s 0+
11C 6 5 11.0114336(10) 20.334(24) min 3/2-
12C 6 6 12 by definition STABLE 0+ 0.9893(8) 0.98853-0.99037
13C 6 7 13.0033548378(10) STABLE 1/2- 0.0107(8) 0.00963-0.01147
14C 6 8 14.003241989(4) 5.70(3) x 103 years 0+ <10-12
15C 6 9 15.0105993(9) 2.449(5) s 1/2+
16C 6 10 16.014701(4) 0.747(8) s 0+
17C 6 11 17.022586(19) 193(5) ms (3/2+)
18C 6 12 18.02676(3) 92(2) ms 0+
19C 6 13 19.03481(11) 46.2(23) ms (1/2+)
20C 6 14 20.04032(26) 16(3) ms [14(+6-5) ms] 0+
21C 6 15 21.04934(54)# <30 ns (1/2+)#
22C 6 16 22.05720(97)# 6.2(13) ms [6.1(+14-12) ms] 0+
  • #でマークされた値は、全てが純粋に実験値から算出されたものではなく、一部体系的な傾向から導き出された推定値を含んでいる。明確なデータが得られていない核スピンに関しては、かっこ書きで表記している。
  • 数値の最後にかっこ書きで表記しているのは、その値の誤差を示している。誤差の値は、同位体の構成と標準の原子質量に関しては、IUPACが公表する誤差で表記しており、それ以外の値は、標準偏差を表記している。
  • 同位体存在比の正確さと質量数は変化によって制限される。天然存在比の範囲は、通常の地球上のどの場所でも同じはずである。
  • すべての核種の原子量の標準として扱われるように12Cは特に重要であり、その原子量は12と定義されている。

出典

  1. ^ Scobie, J.; Lewis, G. M. (1 September 1957). “K-capture in carbon 11”. Philosophical Magazine 2 (21): 1089–1099. Bibcode1957PMag....2.1089S. doi:10.1080/14786435708242737. http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/14786435708242737#preview 2012年3月27日閲覧。. 
  2. ^ Campbell, J.L.; Leiper, W., Ledingham, K.W.D., Drever, R.W.P. (NaN undefined NaN). “The ratio of K-capture to positon emission in the decay of 11C”. Nuclear Physics A 96 (2): 279–287. Bibcode1967NuPhA..96..279C. doi:10.1016/0375-9474(67)90712-9. http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0375947467907129 2012年3月27日閲覧。. 

参考文献

関連項目


「Isotopes of carbon」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

Isotopes of carbonのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Isotopes of carbonのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの炭素の同位体 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS