GPU統合CPUによるオンダイグラフィックス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 17:29 UTC 版)
「オンボードグラフィック」の記事における「GPU統合CPUによるオンダイグラフィックス」の解説
インテルでは2000年頃にTimnaというCPUで初採用される予定であったが、開発中止となり、Intel Atomで初採用された。メモリコントローラとグラフィックス機能がCPU内部に移動されたが、当初はIntel GMA 3150を搭載しており、DirectX 9.0(シェーダーモデル2)対応にとどまっていた。汎用CPUでは2010年にIntel Core i5 (デスクトップ向けはClarkdale、モバイル向けはArrandale) で採用され、統合GPUの名称はIntel HD Graphicsとなる。Nehalemの後継となるSandy Bridge世代以降、Intel Core iシリーズ/Pentium/Celeronは、ほとんどの製品が統合GPUを搭載する。Haswell世代以降の一部のハイエンド製品では、統合GPUにIntel Iris Graphicsというブランド名が使われている。 AMDではATIの買収当初からCPUとGPU (Radeon) の統合を計画していて、2011年にAMD Fusion APUとして発表した。2012年の途中から単にAMD APUと呼称するようになった。ATIで培われた高性能な単体GPUの技術を統合しているため、特にデスクトップ向けのAMD Aシリーズは数世代前のミドルレンジ単体GPUに匹敵する性能をもつ。 いずれにおいても、DirectX 11(シェーダーモデル5)に対応し、OpenCLやDirectComputeを利用したGPGPUにも対応できるアーキテクチャを持つ製品も出現している。新世代のローレベルグラフィックスAPIであるDirectX 12およびVulkanに関しては、AMD APUではGraphics Core Next (GCN) 第1世代以降のGPUを搭載する製品でDirectX 12およびVulkanに対応し、インテルCPUではHaswell世代以降の内蔵GPUでDirectX 12に、またSkylake世代以降の内蔵GPUでVulkanに対応する。 CPUパッケージ自体にグラフィックス機能が統合されているので「オンダイグラフィックス」もしくは「統合グラフィックス」と呼称するのが正確だが、慣例的に「オンボードグラフィックス」と呼称されることもある。 IntelおよびAMDの両者で大きく異なる点として、Intel製品では従来通りCPUとGPUのメモリ空間が独立しているのに対し、AMD APUではHeterogeneous System Architecture (HSA) と呼ばれるGPGPU支援技術基盤をサポートしており、さらにKaveri世代以降のAMD APUでは、HSA 1.0仕様の要素技術として、物理的にも論理的にもCPUとGPUのメモリ空間が統一され、CPU-GPU間のデータ共有を容易にすることができる heterogeneous Uniform Memory Access (hUMA) をサポートしていることが挙げられる。 そのほか、モバイル向けではNVIDIAのTegra、クアルコムのSnapdragon、AppleのAシリーズなどが挙げられるが、Intel/AMDとは異なりx86ではなくARMアーキテクチャのCPUを統合していることが特徴的である。 PlayStation 4/PlayStation 5やXbox One/Xbox Series X/SにはAMD APUのカスタム品が採用されている。Nintendo SwitchにはNVIDIA Tegraのカスタム品が採用されている。 2018年にはモバイル向けAMD Radeon GPUをKaby Lake世代のインテルCPUに統合した製品 (KBL-G、Kaby Lake-G) のラインナップが正式発表された。
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