ETCS Level 1
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/08 06:26 UTC 版)
「ETCS」の記事における「ETCS Level 1」の解説
地車間通信にトランスポンダ(地上子)を利用した方式で、日本のATS-Pに相当する。ATS-Pと異なり、標準では車内信号方式であるが、地上の信号機を存置することもできる。地上と車上の通信はユーロバリーズ(Eurobalise)を介して行う。レベル1は線路と車両の間に「不連続に」起こる送受信とみなされる。 車両側には“European Vital Computer(EVC)”と呼ばれる車載コンピュータを搭載し、“ETCS Trainborne”と呼ばれる車載側システムで、地上から受け取った信号現示や開通している進路の情報を元にブレーキパターンを計算して保持し、列車制御を行う。列車の位置検出は軌道回路によって行う。なお、列車の運転間隔を詰めるためEurobalise同士をループ回線で結び、進行現示時に直近のEurobaliseからブレーキパターンをキャンセルできるような構成も仕様として定義されている。ベースライン3が出る前にGSM-Rを通じる保安信号の伝達方式は企画されていないが、バリーズでは信号が両方向に交換されている。 GSM-Rの区間別活用はETCSレベル1にベースライン3の仕様以後に可能となって、2017年にイタリアの鉄道で試験される予定であった。列車が停止現示の主信号機の遠方信号情報を受けた後に信号機に至る前に「走行信号」を受信すると、より流動的な運用プロセスが可能となる。列車は信号機のバリーズまで到達する必要なくて、車上装置がその信号を読むこともない。 バリーズからの最も重要な情報は線路の勾配、最高速度、列車が止まるべきの場所である。この情報はETCSのモードと共に走行認可(Movement Authority)を形成する。その認可を通じてETCSの車上装置は許容速度及び予定進路の遵守を見張って、各国家で決定された軌道形状と信号機間隔と無関係に、適時に自動列車停止装置を作動する。
※この「ETCS Level 1」の解説は、「ETCS」の解説の一部です。
「ETCS Level 1」を含む「ETCS」の記事については、「ETCS」の概要を参照ください。
- ETCS Level 1のページへのリンク