D中間子
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/20 06:15 UTC 版)
D中間子(D meson)は、チャームクォークを含む最も軽い粒子である。弱い相互作用を研究するためにしばしば用いられる[1]。ストロングD中間子(Ds)は、1986年以前は、F中間子と呼ばれていた。
概観
D中間子は、1976年にSLAC国立加速器研究所のマーク1加速器を用いて発見された[2]。
D中間子は、1つのチャームクォーク(または反チャームクォーク)を含む最も軽い粒子であるため、崩壊の際には、(反)チャームクォークをその他の(反)クォークか別の素粒子に変換する。そのため、粒子内部のチャームは保存されず、弱い相互作用のみが働く。D中間子では、チャームクォークは、Wボソンの交換により優先的にストレンジクォークに変換され、そのためD中間子は、K中間子またはパイ中間子に優先的に崩壊する[1]。
2011年11月、欧州原子核研究機構で行われたLHCb実験で、電荷の無いD中間子の崩壊において、標準模型を超える可能性のあるCP対称性の破れを直接観測したと発表された[3]。
D中間子の一覧
粒子名 | 粒子の記号 | 反粒子の記号 | クォーク組成[4] | 静止質量 (MeV/c2) | IG | JPC | S | C | B' | 半減期 (s) | 崩壊 (>5% of decays) |
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D中間子[5] | D+ | D- | ![]() |
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