Citizendium公開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 14:40 UTC 版)
「ラリー・サンガー」の記事における「Citizendium公開」の解説
詳細は「Citizendium」を参照 2007年3月25日、英語のwikiベース・フリー百科事典として開発されてきたCitizendiumはパイロット・フェイズを終え、一般公開されて随時更新されるベータ段階に移った。公開と同時にAP通信の特集記事が広く配信され、『USAトゥデイ』紙では「よりよいWikipediaをめざすCitizendium」と題された記事となった。 ウィキペディアにおける自分の役割をイギリスの絶対君主になぞらえたウェールズとは異なり、サンガーは自身がCitizendiumの代表になることは将来もないであろうと語り、2年から3年の間にリーダー・チームから退く予定であることをすでに公表している 。 Citizendiumの公開から2週間後、サンガーはウィキペディアが「もはや修復不可能なほどに破壊されている」と述べ、「運営における深刻な問題から、しばしば機能不全に陥るコミュニティ、信頼性を欠くコンテンツの散在、そして一連のスキャンダルに至るまで」問題が山積していると指摘した。Citizendiumは専門家によって監督される査読の形式を有するのが特徴である。サンガーは次のように述べている: 「 Wikipediaの参加者が成し遂げたことは世界を驚愕させたが、ウィキペディアが集約するアマチュア性や執筆者の匿名性は、一部の人間にしか適したものではない。専門性の高い知識をもつ者の中にはウィキペディアのアイデア自体に反対し、それにまったく関わろうとしない者が多い。我々はWikipediaを、ハッカー文化におけるオープン・ソースの考え方を応用したひとつの試作品と見なすことができるだろう。プログラムコードではなく、コンテンツに応用したというわけである。私が述べたいのは、これはレファレンスや学問あるいは教育のためのコンテンツに応用するための十分なモデルではなく、まさしく初期段階の試作品に過ぎないということだ。Wikipediaがインターネットに蔓延する匿名文化に染まる隣で、Citizendiumは実世界の、個人の責任という文化を共有するものとなるだろう。 」 サンガーは信頼に足るオンライン百科事典を創ることについて、「より信頼性がある(オンライン)百科事典が求められている。もし我々がそれを創ることができるならば、そして特にウィキペディアではないシステムを用いることができるならば、それを実行するのは我々の使命である」と述べている。 Citizendiumの編集主幹として、サンガーは2007年10月下旬、Citizendiumがプライヴェート段階の開始からちょうど1年を迎えることを発表した。2006年10月30日がその開始の日付であった。サンガーによれば、Citizendiumの読者はまだこのプロジェクト・モデルの可能性を知り始めたに過ぎない: 「 素朴な言い方をすれば、我々は新しくてより有効なwikiの利用法、オンラインのナレッジ・ベースを構築するダイナミックで面白い方法を開拓したということだ。Citizendiumは日々、集合的インターネットの次の進化段階を明らかにしつつある。 …このプロジェクトの基盤はゆるぎなく、意欲的でたゆまない努力によってさらに確固としたものへと成長している。時間と参加者を十分に投じれば、驚異的な成果がもたらされることは確実である。その可能性の大きさはもちろんだが、それが我々の到達範囲にあるということもそれに劣らず素晴らしい。…私は、もし我々が目眩がするほど人類に貢献する何かをつくるためのチャンスがあるならば、それを実行するのが我々の義務であると信じている。 」
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