Armillaria tabescensとは? わかりやすく解説

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ならたけもどき (楢茸擬き)

Armillaria tabescens

Armillaria tabescens

Armillaria tabescens

わが国本州以南四国九州をはじめ北半球温帯地域広く分布してます。夏から秋にかけて、広葉樹林倒木樹木根際多数束生ます。傘は直径4~6センチ茶褐色をしています。傘の中央部には小鱗片密生します。ナラタケ」に似ていますが、柄につばがつかないのが特徴です。
キシメジ科ナラタケ属キノコ類で、学名は Armillaria tabescens。英名は Friendship mushroom
キシメジのほかの用語一覧
クヌギタケ:  灰汁臭い茸
シイタケ:  椎茸
ナラタケ:  楢茸擬き

サクラ類ならたけもどき病

和名:サクラ類ならたけもどき病
学名病原菌ナラタケモドキArmillaria tabescens (SCOPOLI:FRIES) EMEL.
    
分布本州四国九州
 
写真(上):ナラタケモドキ子実体
写真(下):ナラタケモドキ寄生受けて衰弱したサクラ
説明
ナラタケモドキナラタケ属のきのこであり,数種の樹木ナラタケ同様の根腐病起こす寄主としてサクラ・モモ・クリなどの広葉樹の他,スギ・コウヨウザンなど針葉樹知られている。根や地際部から感染し樹皮下に白い扇状菌糸膜を形成し寄主枯死させる地上部萎凋症状を示す(写真1)。培地上では根状菌糸束を盛んに形成するが,感染樹木上ではあまり観察されない感染部の表面オレンジ色の根状菌糸束が観察されることもある。子実体7〜8月に感染樹木上や周囲地上生ずる(写真2)。子実体にはつばがない。ナラタケ同様,無葉緑ランであるオニノヤガラGastrodia elata BULUME)の菌根形成する
ナラタケモドキ子実体

ナラタケモドキの寄生を受けて衰弱したサクラ


ナラタケモドキ

(Armillaria tabescens から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/26 23:25 UTC 版)

ナラタケモドキ
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
亜門 : 菌蕈亜門 Hymenomycotina
: 真正担子菌綱 Agaricomycetes
: ハラタケ目 Agaricales
: キシメジ科 Tricholomataceae
: ナラタケ属 Armillaria
: ナラタケモドキ A. tabescens
学名
Armillaria tabescens
和名
ナラタケモドキ(楢茸擬)

ナラタケモドキ(楢茸擬、Armillaria tabescens)は林に群生する茶色のキノコ。食用であるが、過食すると中毒をおこす。

分布

北半球の平地の広葉樹林に分布し、日本国内では北日本で多く産出する[1]

形態

径は4~6cm[1]。傘は、黄褐色~茶褐色で、中央部に細鱗片を密生し、長い条線があり、表面は繊維状[2]。初めは丸山のよう(半球型)でのちに平(皿型)に開き、最後にそり返る(漏斗状[3]。傘の裏のひだは白色で垂生、やや密であり、ひだに次第に淡黄褐色のしみができる[1]胞子は広楕円形[4]

は5~8cm。柄は傘とほぼ同色で[1]つばはなく他のナラタケ属と区別可能。柄の上部は淡黄色で下部は暗褐色であり[3]、繊維状で上部に条線がありが詰まっている。つぼはない[1]

生態

夏~秋に子実体が発生し[1]広葉樹林の枯れ木、切り株、立木の根元に、束生~群生する[3]木材腐朽菌[1]

名称

以下のような地方名がある。

利用

肉はもろく、白色~薄橙色で、無味無臭、柄は繊維質[2]であり、ほんのり甘いきのこ臭があるうえ、味もよいので、食用としている地域もある[3]。歯切れはよいが、あまりだしが出ない。酢の物煮込み雑炊鍋物佃煮煮込みピクルスマリネグラタンピザグラタンオムレツスープ油炒めあんかけなどの料理にきわめてよく合い、お吸い物和え物ピラフギョウザシュウマイ、みそ焼きなどでも合う[4]ナラタケより味は落ちる。消化不良を起こし胃腸系の中毒を起こすため食べ過ぎには注意が必要である[1]。熱を十分通し、多量に食べないことが大事である。抗腫瘍性多糖、アルミラリシンなどの化合物を含むが、毒成分となっているかは不明である[3]。また、ナラタケモドキと定義される菌の中には中毒を起こすタイプとそうでないタイプが存在する可能性がある[2]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h 小宮山勝司、ヤマケイポケットガイド⑮『きのこ』、山と渓谷社、2000年、122頁
  2. ^ a b c 柳沢まきよし、ポケット図鑑『新版 日本のキノコ275』、文一総合出版、2022年、74頁
  3. ^ a b c d e 長沢栄史、増補改訂フィールドベスト図鑑13『日本の毒きのこ』、学研、2009年、104頁
  4. ^ a b 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄、山渓カラー名鑑『増補改訂新版 日本のきのこ』、山と渓谷社、2011年、93・604頁


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