A型金属線星とは? わかりやすく解説

Am星

(A型金属線星 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/09 03:16 UTC 版)

Am星[1](えーえむせい、A型金属線星[2]、Am型星[3]、Am star[1][2][3])は、スペクトル型Aの化学特異星である。

概要

Am星のスペクトルには、ストロンチウムジルコニウムバリウム等の多種類の金属元素の強い吸収線が見られ、カルシウムスカンジウムの線は見られない。

このような特異性は、光の吸収の多い特定の元素が恒星の表面に押し上げられ、その他の元素が恒星の内部に沈み込むことによって生じる。この効果は、恒星の自転速度が遅い時にのみ起こる[4]。通常、A型主系列星の自転速度は速いが、ほとんどのAm星は、連星系を形成し、潮汐力によって自転の速度が遅くなっている[4]

最もよく知られたAm星は、おおいぬ座シリウスである。

代表的なAm星

下記の表は、視等級の順に並べたAm星のリストである[注 1]

名前 バイエル符号 視等級
シリウスA おおいぬ座α星A −1.47
カストルBa ふたご座α星Ba 2.96
とびうお座α星 4.00
アクベンスA[5] かに座α星A 4.26
Kurhah[6] ケフェウス座ξ星 4.29
みなみじゅうじ座θ1 4.30
おおぐま座2番星 5.46
つる座τ3 5.72
ぎょしゃ座WW星[注 2] 5.82

脚注

注釈

  1. ^ 名称及び視等級について特記がないものはSIMBADに拠る。
  2. ^ 連星の各々がAm星である。

出典

  1. ^ a b 鈴木敬信『天文学辞典 改訂増補第2刷』地人書館、1991年、60頁。ISBN 978-4805203934 
  2. ^ a b 天文学大事典編集委員会『天文学大事典』(初版第1版)地人書館、2007年6月、65頁。ISBN 978-4-8052-0787-1 
  3. ^ a b 『オックスフォード天文学辞典』(初版第1刷)朝倉書店、47頁。ISBN 4-254-15017-2 
  4. ^ a b David Darling. “Am star”. The Internet Encyclopedia of Science. 2015年9月2日閲覧。
  5. ^ Jim Kaler. “Acubens”. Stars. 2015年9月2日閲覧。
  6. ^ Jim Kaler. “Kurhah”. Stars. 2015年9月2日閲覧。

A型金属線星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/01 23:24 UTC 版)

特異星」の記事における「A型金属線星」の解説

A型金属線星には、1価イオン化したカルシウムスカンジウムの弱い線が見られるが、重元素豊富に存在する。またゆっくりと自転しており、実効温度は7000Kから10000Kの間である。

※この「A型金属線星」の解説は、「特異星」の解説の一部です。
「A型金属線星」を含む「特異星」の記事については、「特異星」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「A型金属線星」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「A型金属線星」の関連用語

A型金属線星のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



A型金属線星のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのAm星 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの特異星 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS