777-200 (772A)
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「ボーイング777」の記事における「777-200 (772A)」の解説
777シリーズ最初のモデルで、最大航続距離は5,210海里 (9,649 km)。 1994年6月12日、プラット&ホイットニーのPW4077エンジンを搭載したボーイングの試験第1号機が初飛行に成功している。 エンジンはプラット&ホイットニー (PW) のPW4000シリーズ、ゼネラル・エレクトリック (GE) のGE90シリーズ、ロールス・ロイス (RR) のTrent(トレント)800シリーズから選択でき、ローンチカスタマーでもあるユナイテッド航空はPW4000を、ブリティッシュ・エアウェイズがGE90を、キャセイパシフィック航空がトレント800を選択したことで各メーカーのエンジンを搭載した機体の製造が開始された。初飛行と飛行試験、型式認定の取得はPW4000→GE90→トレント800の順に行われた。 日本では1995年12月に全日本空輸、1996年4月に日本航空、1997年4月に旧日本エアシステムの順に導入・就航した。2015年現在は全日本空輸と、日本エアシステムを吸収合併した日本航空がともに国内線にて運航している。全日本空輸の一部の機体ではETOPS取得機(120分、180分)も存在しており、かつては成田国際空港発着の近距離国際線に就航していたが、のちに全機が国内線仕様に改修されている。なお、日本のエアライン3社が揃って同一の機材を導入した例は727-100以来となった。エンジンは3社ともにプラット&ホイットニーのPW4000を選択している。 全日本空輸はL-1011 トライスターの後継機として、日本航空はマクドネル・ダグラスDC-10の後継機として、また日本エアシステムは先に導入されていたエアバスA300-600Rを超えるキャパシティを持つ新たな国内線の主力機として導入した。 日本エアシステムは当時国内線初の3クラス(スーパーシート/レインボーシート/普通席)で運航し、日本航空も2007年以降はファーストクラス/クラスJ/普通席の3クラスで運航した。全日本空輸は国内線ではボーイング747以外の旅客機そして双発機としては初めて2クラス(スーパーシート*/普通席)配置として有償提供された(*就航当時の呼称)。有償飛行での座席数は、全日本空輸が当時世界でも例を見なかった横10列の密接した座席配置にして国内線で運航していた418席仕様が世界最多である(その後他社も国内線用として横10列を導入したほか、エミレーツ航空など一部の航空会社は国際線でも採用した)。なお、モノクラスでは440席の配置が可能とされている。2015年現在は、全日本空輸が405席で、日本航空が375席で運航されている。 また、2006年4月からの四発機の規制により伊丹発着の幹線の主力となっている。 2014年6月、日本航空の所有する1機の777-200 (JA8981) が退役した。これは日本のエアラインにおける退役の第1号機となり、日本航空では初期に導入された機体から退役させている。これらの機体は離着陸を短時間で繰り返すという日本国内路線の特殊な事情もあって機体への疲労が激しいため他社へ転売されることはなく、スペアパーツの供給用として解体された。その一方で、2015年には全日本空輸が日本航空の1番機 (JA8981) よりも前に導入した年式の古い777-200の退役を数年延長し、繁忙期の国内幹線における需給調整用機材として活用することが発表された。すでに機体の減価償却が済んでいる自社保有機を有効活用することにより一年間に約90億円の収支改善効果が見込めるという。しかしながら、2016年5月からは全日本空輸でも777-200の退役が開始された。 2007年5月に日本航空向けの機材(機体番号:JA773J)として引き渡したのを最後に生産を終了し、後述のB777-200ER/-200LRへ製造を移行している。総生産機数は88機。そのうちの31機が日本の航空会社に導入された(全日本空輸:16機、日本航空:8機、日本エアシステム:7機)。 2021年2月20日に発生したユナイテッド航空328便エンジン事故を受け、国土交通省はPW4000エンジンを搭載した777の運行停止を命じた。それに伴い、日本航空は予定を前倒しして21機あった777-200を全機退役した。
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