2017年葛飾区議会議員選挙にかかる選挙争訟
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「葛飾区議会」の記事における「2017年葛飾区議会議員選挙にかかる選挙争訟」の解説
2017年11月の葛飾区議会議員選挙において、最下位の第40位で当選した無所属(自由を守る会・「かがやけ Katsushika・維新」)新人の大森有希子候補が2176票、第41位で次点落選した無所属(自由民主党議員団)現職・元区議会議長の会田浩貞候補(2009年11月の葛飾区長選挙落選を挟んで区議当選6回)が2175票となり、1票差で当落が確定した。この開票結果を受け、会田は同月21日、葛飾区選挙管理委員会に対し、「区選管が無効票と判断した票の中に会田の有効得票がある」「区選管が大森の有効得票と判断した票の中に無効票がある」「確認が十分になされていない疑いがある」との理由で大森の当選無効を求める異議を申し立てた。これに対し大森も区選管に異議申出棄却の決定を求める請願を行った。区選管は同年12月14日、「「合田」という票が1票あったが、これについては会田の有効投票とした」「「大村」と書かれた票があったが、これについては大森の有効投票ではなく無効票として扱った」等と説明し、会田の申し立てを棄却した。会田はこの決定を不服として2018年1月、東京都選挙管理委員会に審査請求。同年2月3日、都選管は臨時委員会を開き、当該選挙において投票された全162399票の開披点検を行った。この結果大森の有効得票とされた票の中に、「大森ようこ」・「大森ひでこ」と書かれた票がそれぞれ1票あった。同選挙においては公明党現職の久保洋子(ようこ)候補(3位当選)と日本共産党新人の木村秀子(ひでこ)候補(21位当選)があり、都選管はそれぞれ下の名前の読み方が同じ候補者がいたのでこの2票は「いずれの候補者に帰属せしむべきか判定不能であり、大森の有効得票とは認められず無効票である」と判断。大森が2174票、会田が2175票(変わらず)であったとし、会田の請求を認め、大森の当選は無効と裁決した。大森はこの裁決を不服として同年3月、都選管の裁決の取り消しを求め東京高等裁判所へ提訴したが、高裁は同年7月25日、上述の2票は「特定の候補者の得票とは推認できない」として都選管の判断を支持し、大森の請求を棄却した。更に大森は最高裁判所に上告するも、同年12月11日、最高裁判所はこれを退け、大森の当選無効が確定した。地方自治法第128条及び第283条の規定に基づき、大森は同年12月11日まで区議会議員を務めたが、同日付で失職した。司法判断が最終確定したことを受け、区選管は同年12月21日、更正決定選挙会を開催。会田は7回目の当選。同日、会田に当選証書が交付され、争訟は終結に至った。渡辺キヨ子・葛飾区選挙管理委員会委員長は「今後もこれまで同様に公正、適正な執行を心掛けると同時に、投票の効力判定にあたっては、今般の司法判断の趣旨に基づき厳正に行っていく所存でございます」とのコメントを発表した。当選後会田は自由民主党議員団には参加せず無所属で活動。2021年11月の葛飾区議会議員選挙には立候補せず政界を引退した。一方大森は2021年11月の葛飾区議会議員選挙に自由民主党の公認を得て再立候補、第22位で当選し議席を獲得した。
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