2車体連接車化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/21 15:09 UTC 版)
「福武電気鉄道デハ20形電車」の記事における「2車体連接車化」の解説
1960年代後半より、福井鉄道は輸送力増強のため従来単行運用が主であった在籍車両の2両固定編成化改造を順次施工した。他形式と比較して車体が小型で収容力の劣る本形式もその対象となり、モハ61・モハ62の固定編成化改造が1968年(昭和43年)11月に施工された。ただし、モハ61・モハ62については他形式とは異なり、2車体3台車構造の連接車化、および構体の改造を伴う大規模な改造となった。 車体は連結面となる側の運転台を完全撤去して客室化したほか、前後妻面を屋根部を含め「カマボコ形」と形容される切妻形状に改めた上で、前面窓を細いピラーによって区切った2枚窓構造とした。この前面窓部分には窓下端部付近を支点とした5度の後傾角を設けた。前照灯は前面幕板部へ露出して取り付けられ、後部標識灯については従来通り前面腰板下部の左右に各1灯設置した。連結面には貫通路および貫通幌を新設し、窓は省略された。側面については客用扉が1,000 mm幅に拡幅されたほか、運転台部分に乗務員扉が新設され、1両あたりの窓配置はd D 7 D 1(d:乗務員扉、D:客用扉、各数値は側窓の枚数)と変化した。 その他、客用扉の自動扉化、車内木部の更新、車内放送装置の新設など接客設備の体質改善が施工された。 主要機器面では、連接車化改造のほか、制御方式を間接非自動制御(HL制御)に改め、主電動機を芝浦SE-131-A(定格出力37.5 kW、歯車比3.28)に交換して両端台車に各2基、一編成あたり計4基搭載、制動装置はSME非常直通ブレーキに改造した。固定編成化に伴い、主要機器の配置はモハ61へ電動発電機 (MG) および電動空気圧縮機 (CP) など補助機器を、モハ62へ制御装置および抵抗器など主回路機器をそれぞれ搭載する形態に改められた。台車は両端部・連接部とも改造以前からの加藤ボールドウィン台車を装着した。その他、併用軌道区間における信号制御の都合からモハ61のパンタグラフは撤去され、1編成あたり1基搭載となった。 改造後のモハ61・モハ62は160形と形式称号を改め、記号番号は福井新向き先頭車となるモハ61がモハ161-2、武生新向き先頭車となるモハ62がモハ161-1とそれぞれ改番された。なお、モハ161-2(元モハ61)固有の側面窓構造やベンチレーターなどには手を加えられなかったため、モハ161-1(元モハ62)との外観は統一されず、モハ161-2の震災被災復旧車としての特徴は連接車化改造後も残された。
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