2種類のボディ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/07 01:22 UTC 版)
「メルセデス・ベンツ・W196」の記事における「2種類のボディ」の解説
W196ストリームライン W196オープンホイールに乗るファン・マヌエル・ファンジオ(1986年ニュルブルクリンク) W196オープンホイールのリアビュー デビュー戦のランス公道コースに登場したW196はシャーシとタイヤをすっぽりと覆う滑らかな流線型ボディ(ストリームライン)をまとっていた。空気抵抗を減らすストリームラインは戦前から存在していたが、架装を前提に設計したのはW196が最初だった。風洞実験やアウトバーンでの走行テストで磨かれたボディは直線路で効果を発し、のちにフェラーリなどの他チームに模倣された。しかし、2戦目のイギリスグランプリではボディの大きさのためドライバーの周辺視界が悪くなるという弱点が判明する。名手ファンジオでも操縦に苦労し、マシンのフェンダーはコーナーのパイロンにぶつかり破損した。また、傾載エンジンのメンテナンスにも支障があり、前輪を外さなければプラグの交換作業ができなかった。 チームは一般的なオープンホイールボディの製作を急ぎ、次戦ドイツグランプリの予選2日目に何とか間に合わせた。以降はオープンホイールが主戦となり、ストリームラインは高速サーキット専用となった。 1955年型ではボンネット右上に吸気用のバルジが追加され、ウィンドスクリーン前のエアスクープが廃止された。テストでは同年のル・マン24時間レースで300SLRの武器となったハネ上げ式の空力ブレーキを取り付けたストリームラインも試された。この車の活躍した時代とは直接には関連しないが、1960年代に入ってまもなく禁止されたタイヤを覆うボディワークと同様、こちらの空力ブレーキも、後のルール変更で禁止された「走行中に可動な空力要素」に相当するため、ある時代以降には類例が無いものとなっている。
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