2枚目の文面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/29 07:06 UTC 版)
復号した原文(英語) I have deposited in the county of Bedford, about four miles from Buford's, in an excavation or vault, six feet below the surface of the ground, the following articles, belonging jointly to the parties whose names are given in number "3," herewith: The first deposit consisted of ten hundred and fourteen pounds of gold, and thirty-eight hundred and twelve pounds of silver, deposited Nov. eighteen nineteen. The second was made December, 1821, and consisted of nineteen hundred and seven pounds of gold, and twelve hundred and eighty-eight pounds of silver; also jewels, obtained in St. Louis in exchange for silver to save transportation, and valued at US$13,000. The above is securely packed in iron pots, with iron covers. The vault is roughly lined with stone, and the vessels rest on solid stone, and are covered with others. Paper number "1" describes the exact locality of the vault, so that no difficulty will be had in finding it. 日本語訳(『暗号解読』より引用) ビュフォードの店から4マイルほど離れたベットフォード郡の採掘抗で、地面より6フィートほどの深さに以下のものを埋めた。所有すべき者の名を同封の文書3に示す。 最初の埋蔵物は、1014ポンドの金と3812ポンドの銀で、埋蔵の日付は1819年11月である。 第2の埋蔵物は、1821年の12月に埋蔵したもので1907ポンドの金、1288ポンドの銀、そして輸送の安全の為にセントルイスで銀と交換した宝石類1万3000ドル相当である。 上記の金銀宝石類を、いくつかの鉄の容器に入れ、やはり鉄の蓋をした。採掘抗は粗い石垣のようになっているが、容器はしっかりとした石の上に置き、さらに石を積んで覆い隠すようにした。第1の書類には採掘抗の正確な位置を書いておいたので、容易に発見できるだろう。 この2枚目の暗号文は、『アメリカ独立宣言書』を用いて復号することができる。暗号文の数に対応する単語をアメリカ独立宣言書で見つけ、単語の最初のアルファベットを抜き出す。2枚目の暗号文に記された数列の最初の数は115であり、アメリカ独立宣言書の冒頭から115番目の単語は「instituted」である。よって、復号した文の最初の文字は「I(私)」となる。 ここで注意すべきなのは、ビール暗号で用いられている書籍暗号は、一般的な書籍暗号とは僅かに手法が異なる点である。 ビールが2番目の文書を暗号化する際に用いた『アメリカ独立宣言書』は、独立宣言書の正確な原文とは少し異なるものだったことが判明している。2番目の暗号文を正しく復号するためには、以下の5つの違いを考慮しなければならない。 独立宣言書の原文における最初から154番目の単語(institute)と157番目の単語(laying)の間に、単語を1つ加える必要がある(恐らく "a" ) 独立宣言書の240番目(invariably)と246番目(design)の間の単語を1つ取り除く 467番目(houses)と495番目(be)の間の単語を10個取り除く 630番目(eat)と654番目(to)の間の単語を1つ取り除く 677番目(foreign)と819(valuable)番目の間の単語を1つ取り除く さらに 独立宣言書の原文における811番目の単語はfundamentallyで、復号ルールに従うと"f"となるはずだが、ビールの2番目の文書では"y"として用いている 1005番目の単語はhaveで、ルールに従うと"h"となるが、ビールはこれを"x"として用いている 最終的に解読文には(おそらく暗号文の原文からの誤った転写によって)以下の4つの誤りがある。 84 63 43 131 29 ・・・consistcd(正:consisted、84→85) 53 20 125 371 38 ・・・rhousand (正:thousand、53→54) ・・・ 84 575 1005 150 200 ・・・thc (正:the、84→85) ・・・ 96 405 41 600 136 ・・・varlt (正:vault、96→95)
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