1980年代後半 RISC の登場
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「CPU年表」の記事における「1980年代後半 RISC の登場」の解説
CPUの開発が進むにつれて、従来のCISCと呼ばれる仕組みに代わってRISCと呼ばれる仕組みを用いることで性能向上を図ろうとする考え方が生まれた。RISC CPUの研究は1980年代前半に進み、1980年代後半になるとミップス・テクノロジーズ (MIPS)、サン・マイクロシステムズなどからRISC方式を採用したCPUが相次いで発表された。しかし、まったく新しいCPUは従来のソフト資産を継承しにくいという弱点を抱えていた。 従来のCPUの互換性を保ちつつ RISC技術も取り入れていく折衷のインテルと、過去のしがらみを断ち切りゼロから作り直した革新の新興RISC CPUメーカーの攻防の行方は、パソコン分野についてはソフト資産重視のインテルに、業務用ワークステーション分野については、RISC CPUメーカーに軍配が上がった。RISC CPUはその後、サーバや組み込みCPUの分野で広く浸透した。 1985年10月 インテル 80386 発表32ビットCPU。1990年代前半のパソコンの代表的なCPUとなった。 1985年 386ライセンス訴訟 1986年 MIPS R2000ほぼ最初の商用 32ビットRISC CPU。DECやシリコングラフィックスのワークステーションで採用された。MIPSはその後、いったんシリコングラフィックスに買収されCPUの開発を続けた。 1986年 エイコーン・コンピュータ ARM2を開発32ビット RISC CPU。Acorn Archimedesに搭載された。6502の発展として設計されCISCとしての特徴も併せ持つ。低消費電力に注力したARMアーキテクチャは後にGSM携帯電話やApple Newtonに採用され組み込みCPUとして圧倒的なシェアを誇る。 1986年10月 ヒューレット・パッカード (HP) PA-RISC32ビットRISC CPU。HP のワークステーションで採用された。 1987年 モトローラ MC6803032ビットCPU。Macintosh、NeXT 、X68030で採用された。 1987年 サン・マイクロシステムズ SPARC 出荷32ビットRISC CPU。サン・マイクロシステムズのワークステーションで採用された。 1988年 MIPS R300032ビットRISC CPU。シリコングラフィックスのワークステーションで採用された。また、時代が下ると R2000/R3000 から派生したCPUが通信機器やプリンタなどの組み込み機器で多く用いられるようになり、組み込みCPUの一角を築いている。ソニーのゲーム機 プレイステーション(1994年12月発売)でも採用された。 1988年 テキサス・インスツルメンツ TMS320C30デジタルシグナルプロセッサ (DSP) で有名なチップ。→ NS320xx 1989年4月 インテル i48632ビットCPU。80386 の後継CPUで、1990年代半ばのパソコンの代表的なCPUとなった。キャッシュ搭載により性能を向上させた。
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