101系との主電動機比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 03:51 UTC 版)
「国鉄103系電車」の記事における「101系との主電動機比較」の解説
8両編成でMT比1:1とすることを前提として計画されたが、1968年(昭和43年)10月の山手線10両編成化の際には6M4Tとなるため、MT比が3:2となった。単純に編成出力だけを見れば101系の2,400 kWに対し本系列は2,640 kWと大きく、「10両ならば103系は不要で101系でいい」という意見も存在した。 実際の変電所負担に関わる電力消費に関しては、定格引張力が小さい101系は本系列の加速度に合わせるためには起動時の限流値を高めなければならなかった。 同様な駅間距離を持つ総武・中央緩行線の101系と本系列6M4T同士の試算では、以下のようになる。 運転時分を同等とした場合の限流値は本系列で415 Aに対し101系では480 Aとなる。 同試算によると101系に比べ本系列の方が変電所設備や年間電力消費量を低減できるとされており、上記の編成出力だけを基準とした意見は必ずしも正確ではない。 101系のみならずMT46系主電動機を採用した形式は、主電動機の絶縁種別が低いこともあって熱容量(電動機の通電による熱に対しての耐性)が不足しており、山手線のような加速・減速を繰り返すような線区ではオール電動車にしても熱容量が足りないとの試算がすでに1960年代初頭に出ており、101系は全電動車でも問題点があるとされていた。 さらに101系は熱容量不足から応荷重装置が使えず、乗車効率が300 %にもなるラッシュ時には乗客の数に応じて運転時分が変わる。一方で、応荷重装置を使える本系列は乗客の数に関わらず起動加速度は一定に保つことができる。 そもそもMT比1:1設計をMT比3:2とすれば運転性能は上がり、1965年の京浜東北線10両編成投入の際に、長短所については検討しているが、省電力などのメリットはMT比3:2でも引き続き得られることを確認している。したがって、同じMT比3:2の6M4Tでも101系より本系列の方が加速度の高いことがわかる。
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