0.x版
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 19:25 UTC 版)
「Rust (プログラミング言語)」の記事における「0.x版」の解説
プレアルファ(0.1版)と呼ばれる最初のバージョンは2012年1月にリリースされた。Mozillaはこれを新しいモノ好みの人やプログラミング言語愛好家のためのアルファ版と位置づけていた。最初の安定版である1.0版がリリースされるまでの0.x版リリースでは、いくつもの大きな破壊的な仕様変更が言語およびライブラリに加えられた。 変数名や関数名など識別子は、この言語の開発の初期の頃は、ASCII文字以外の文字を使うことが禁じられていた。言語についてのある質疑応答の中で、現場の非英語圏のプログラマーのほとんどが識別子にはASCII文字を使っていると述べられていた。しかしその制限は反論を引き出すことになった。それにより、2011年2月に言語に変更が行われ、この制限は削除された。 型判定は、0.4版以前の従来の静的型付けに加えて、型状態システムをサポートしていた。型状態システムは、特別なcheck文を使用してプログラム文の前後での型決定をモデル化した。C言語やC++コードでのアサーションの場合と同様に、プログラム実行中ではなくコンパイル時に型不一致を検出する。型状態の概念はRust特有のものではなく、NILで採用されていたものである。実際にはほとんど使用されていなかったため型状態は削除されたが、ブランディングパターンで同じ機能を実現できる。 オブジェクト指向のシステムは、0.2版から0.4版にかけて大きく変わっていった。0.2版で初めてクラス(class)が導入され、0.3版でインターフェース(interface)を通したデストラクタとポリモーフィズムが追加され、0.4版で継承を提供する手段としてトレイト(trait)が追加された。インターフェースはトレイトに一部の機能が統合されて、異なる不要な機能として削除された。クラスもまた削除され、構造体とトレイトを使用したミックスインに置き換えられた。 コアのメモリモデルは、0.9版から0.11版の間、2つのビルトインのポインタ型(ヒープメモリ型~とガベージコレクション型@)を機能を単純化するために用意していた。それらは、標準ライブラリのBox型とGc型で置き換えられ、Gc型は最終的には削除された。 2014年1月、Dr. Dobb's Journalの編集長アンドリュー・ビンストックはD言語やGo言語、Nim言語と同様にC++の競争相手になる機会を得たとコメントした。ビンストックによると、Rustは非常にエレガントな言語として広く見られているが、バージョン間で繰り返し大きく変更されたため普及が遅れているという。
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