2つの型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 16:04 UTC 版)
「SARSコロナウイルス2」の記事における「2つの型」の解説
2020年3月、このウイルス(中国内外の103例)を北京大学など中国の研究チームが遺伝子解析をした結果、コウモリ由来のウイルスに近く古くからあるとみられる全体の3割を占めるS型(S亜型)と毒性の強弱は不明だが頻度が高いとみられるL型(L亜型)という塩基配列の異なる2つの型に分類できることが分かった。ウイルスのRNAの第28,144番目の塩基の違いにより分類され、指定されるアミノ酸がセリンならばS型、ロイシンならばL型となる。 患者の多くは、片方の型にしか感染していないものの両方の型に感染した例も確認されており、ウイルスに一度感染し症状が治っても別の型に「再感染する」と言う報道もあるが、再感染の可能性および原因については議論があり、今後の研究や検証を要する。 S型 進化的に古く、変異前(先祖型)のものと見られている。攻撃性が低いため選択圧が弱く、相対的に割合が増加したと見られる。 L型 中国武漢市での初期流行ではL型が支配的。当初の報告ではL型はより攻撃的で、より急速に蔓延するとされていた。そのため、流行対策による人的介入のため選択圧が掛かり割合的に減少したと見られている。ただし、後に「感染力が強い」と言う点については修正され、「頻度が高い」に表現が改められている。 K型 S型が変異したウイルス。中国における感染症サーベイランスでは感知されず蔓延したが、日本のインフルエンザ流行曲線が大きく欠けていたため、K型ウイルスの流入が認められた。 G型 中国の武漢で死者を多く出した後、米国やイタリアなどで爆発的な感染を引き起こしたと考えられている型。感染力や毒性が強い。
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