黒人ボクサーとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/09 03:16 UTC 版)
「ジェームス・J・ジェフリーズ」の記事における「黒人ボクサーとの関係」の解説
ヘビー級王者在位中のジェフリーズはカラーラインを引き、黒人ボクサーとの対戦を避けたとされている。実際、彼はタイトルマッチで黒人と対戦したことがない。だが、ボクサー生活において黒人ボクサーとの戦いを特に避けていたわけではなく、王座と関わらない試合では、ハンク・グリフィン、ピーター・ジャクソン、ボブ・アームストロングといった実力者と戦い、そのいずれからも勝利をおさめている。 ハンク・グリフィンはジェフリーズのプロデビューと深く関わっており、ヘビー級王座在位中もノンタイトルの変則マッチで対戦している。ジェフリー・C・ワードの手によるジャック・ジョンソンの伝記(ケン・バーンズ作のドキュメンタリーフィルム"Unforgivable Blackness: The Rise and Fall of Jack Johnson"の原作)では、このグリフィンについて「三流」(a third-rater)という評価が示されているが、ジェフリーズやジョンソンの他、ハリス・マーチン(初代黒人ミドル級王者)、フランク・チャイルズ(第七代黒人ヘビー級王者)、ジャック・ムンロー(ジェフリーズの王座に挑戦)といった強豪と戦い、生涯成績29勝4敗9分というボクサーに対しての客観的な評価とは言い難い。そもそも当のジャック・ジョンソンは、グリフィンと3度戦って1度も勝てていない(1敗2分)。 ピーター・ジャクソンは第五代黒人ヘビー級王者であり、かのジョン・L・サリバンが対戦を避けたとされる伝説的強豪である。ジェフリーズは彼を尊敬しており、昔日の面影無く衰えたその姿を対戦時に目にして、悲しみを覚えたという。 ボブ・アームストロングもまた元黒人ヘビー級王者(六代)である。彼はジェフリーズと友好関係にあり、ジャック・ジョンソンとの「世紀の決戦」の際もジェフリーズ陣営についてトレーニングのサポートをした。当時の新聞には、トレーニングの余暇にレスリングに興じる二人の写真が掲載されている。また、試合当日もセコンドとしてジェフリーズを見守った。試合終盤にジェフリーズがダウンした際、タオルをマネージャーに渡したのは彼である。 ジェフリーズとの直接対戦はないものの、サム・ラングフォードもまた、彼をリスペクトしたひとりである。ジャック・ジョンソンが再戦を避けた黒人強豪として知られる彼だが、件の「世紀の決戦」直前の新聞記事の中では、「ジェフリーズが最初のパンチでジョンソンの顎を砕き勝利することを希望する」というコメントを発表し、ジェフリーズの惨敗を目撃した直後にも「全盛期の彼であれば数ラウンドでジョンソンを仕留めていた」と発言している。 拳闘史研究家のジム・カーニー・ジュニアは、ジェフリーズが人種差別に乗せられたことを認めそれを批判しながらも、「彼はジャック・ジョンソン個人のことは好きではなかったが、それ以外の黒人ボクサーには好意的で、リスペクトしていた」と述べている。
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