高速鉄道の発達
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 21:40 UTC 版)
蛇行動の存在は鉄道の高速化を阻害してきた要因の一つである。1955年にはフランス国鉄が電気機関車による時速331km/hの世界記録を達成したが、この時の走行は脱線直前の危険な状態であった。走行後の軌道は左右に大きく変形し、蛇行動の発生が原因の一つと考えられている。 一方、日本では上記の松平らの研究を中心として蛇行動の研究が進み、1950年代後半頃から計画された新幹線の開発にもこれらの成果が投入された。1964年には日本で営業最高速度200km/hで新幹線が開業する。ヨーロッパでも高速鉄道の技術が高まり、1981年にはフランスのTGVが、1991年にはドイツのICEが開業する。蛇行動抑制のためのヨーダンパもTGV車両で初めて実用化され、日本でも1992年に運用が開始された新幹線300系電車でヨーダンパを装備したボルスタレス台車が採用され、高速鉄道用ボルスタレス台車の実用化も達成された。 2013年時点で、車両運動の数値解析や台車回転試験など利用した検証により、蛇行動を抑えることそのものは大きな問題とならなくなっている。時速515km/hを記録した1990年のTGVの試験走行においても走行安定性は問題なかったと報告されている。しかし蛇行抑制と曲線通過性能の確保は相反することが多く、これらの両立は鉄道車両設計の課題の1つとされている。
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