首都の過密と地方の過疎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 13:53 UTC 版)
「日本の経済」の記事における「首都の過密と地方の過疎」の解説
「東京一極集中」および「プライメイトシティ」も参照 戦後高度経済成長期にかけて、太平洋ベルトを中心とした都市部への人口集中が続いた。高度経済成長以降は、首都・東京への一極集中が加速し、地方の農業や地場産業の衰退に伴って、「過疎と過密」の国土が形成された。そして、「平成不況」が到来すると、より一層、東京一極集中が加速している。 高度経済成長期の地方には、支店や営業所が立ちならぶ「支店経済都市」と、特定企業の工場が立ち列ぶ「企業城下町」が増加した。 列島改造論以降、道路整備を中心に行われた公共投資は、モータリゼーションを深化させ、地方都市において中心市街地の衰退を招いたが、自然破壊や地元への維持費の負担など弊害が多く目立ち、景気対策としても思うような効果を招かなかったという批判が高まり、公共投資は圧縮されるようになった。公共事業という主要産業を失った地方では、建設業が農業や福祉産業に転じるなどの動きが見られる。 東京一極集中は、バブル経済崩壊後の不景気を経て加速しており、特に山手線内とその沿線では、オフィスビルや高層マンションの建設など、民間建設投資が活発に行われるようになった(都心回帰)。これに伴って、東京都心から離れた地域では、住民の高齢化と人口減少に悩む都市が現れている(小田原、春日部、土浦など)。 一方で小泉純一郎首相・竹中平蔵経済財政担当大臣・奥田碩経団連会長が推進する市町村合併や地方交付税の削減により、全国各地の中小都市や村落は、役場の雇用や自治権の喪失などによって、衰退に拍車が掛かっている。 さらには、安土桃山時代までは首都圏として、文化・経済の各面で日本をリードして来た京阪神までもが、相次ぐ本社の東京への移転により、弱体化に悩まされている。 そして、東京以外でも、中央省庁の出先機関が集中する都市(札幌、仙台、名古屋、広島、福岡)は、中央省庁の出先機関に引きつられて企業の支店が密集し、「ミニ東京」と化して一極集中が加速している。
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