養生術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 03:56 UTC 版)
養生術に対する関心は戦国時代から存在し、『荘子』において呼吸術や導引の術(身体の屈伸運動)に対する言及が見られる。また、『漢書』芸文志の方技略の「神僊」には10冊の書名が記録されており、いずれも現代には伝わらないが、内容は推測可能であり、以下の例がある。 「歩引」 - 呼吸法などを含めた体の屈伸運動・柔軟体操で、長生法の一つ。 「按摩」 - マッサージによる健康法。 「芝菌」 - 神仙が食べたというキノコのこと。 「黄治」は - 錬丹術のこと。黄帝や伏羲など神話的人物の技とみなされる。 また、『漢書』方技略には他に「医経」(医学の基礎理論である経絡や陰陽、針灸などの技法)、「経方」(本草・薬学)、「房中」(性交の技)があり、健康や長寿を目的としたこれらの技法も道教と密接な関係を持った。ほか、道教の修行法として重要なものとして辟穀(五穀を食べないこと)、胎息(宇宙の元気を身体に取り入れて全身に巡らせる特殊な呼吸法)、存思(瞑想のうちに神々を思い描く観想法)などが知られている。 養生術においては「気」が大きな役割をもち、『老子』においては純粋な「気」を保ち、この上なき柔軟性を持ち続けることによって、嬰児のような生命力を維持できるとされる。道教においては、気を保つ方法の一つとして「服気」と呼ばれる呼吸法が重視された。こうした養生術は、医学・薬学ともかかわりを持ちながら、「気」を基盤に置く身体鍛錬の方法として、徐々に道教の中に取り込まれていった。
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