たいそく 【胎息】
胎息
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 02:32 UTC 版)
胎息とは、道教独自の呼吸法のことで、胎児が母親の体内にあるときには口や鼻では呼吸を行わないことから連想された。その方法は、口や鼻からの息の出し入れを、その音も聞こえず、また自覚もできないほどにきわめて微弱にし、吸い込んだ息を呼吸器から消化管に通し、できるだけ長時間体内に留めておき、その後に口から吐き出す。道教においては、人間に肉体は気からできており、気が消滅すると人間は死亡すると考えられておいたため、体内の気を保持充足させる必要が生まれた。胎息は、道教の呼吸法の中では高度なものとされ、これが修行の目標とされる場合もある。 気が重視されたことから、気を体内に巡らせることも重要視され、これは「行気」と呼ばれた。行気の実践法の基本事項は、呼吸において生命力に満ちた清らかな「気」を吸入すること、より多く吸い込みより少なく吐き出すこと、体内の気海(下丹田)に気を充満させること、気を吸入した後に気管を閉ざし気を体内に巡らせることなどである。
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