胎土分析と産地同定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 08:36 UTC 版)
土器はまた、胎土中の岩石や鉱物の組成と出土周辺地域の地質を比較すること(胎土分析)によって、在地的な土器であるか外部から搬入されたものであるか産地を推定すること(産地同定)が、ある程度可能となっている。これは、土器製作集団の活動や製品の移動を示す大きな指標にもなっている。縄文土器や弥生土器のような低温焼成の土器に関しては、胎土の観察によって産地同定が可能であるが、たとえば須恵器などは、1100℃という高温で焼成するため、鉱物のほとんどは融けてしまい、産地同定が困難である。それを補うのが科学的分析法であり、その代表的なものに蛍光X線分析法がある。これは、分析試料にX線を照射したときに生じる蛍光X線(二次X線)の元素ごとの波高を求めて、その含有量を調べるという分析法である。胎土分析、産地同定ともにデータの増加と科学的分析法の採用にともない、精度は近年、格段に向上している。
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