飲食店等の反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 17:01 UTC 版)
「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」の記事における「飲食店等の反応」の解説
日本マクドナルドは神奈川県の全店を全面禁煙化し、ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」を展開するロイヤルホールディングスは、神奈川県内の全ての店舗を全面禁煙にした。 一方で、喫煙客の多いバー「横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ」の「ベイ・ウエスト」は、2010年(平成22年)4月1日の条例施行後も喫煙可能とした。1年後の2011年(平成23年)3月31日まで設定された「罰則適用の猶予期間」を利用して引き続き喫煙可能とした。 なお、条例では小規模な飲食店等について、厨房以外の床面積が100m2以下であれば、禁煙または分煙の措置をとることを「努力義務」に留めたため(条例21条の「特例第2種施設」)、産経新聞(2010年3月30日付)の記事では、「条例逃れ」のため厨房スペースの拡大を真剣に検討している飲食店もあると報道された。 条例施行翌日の神奈川新聞の記事(2010年4月2日付)によれば、神奈川県の都県境周辺に位置する川崎市・相模原市の商業施設や、観光地である湯河原町(湯河原温泉)・箱根町(箱根温泉)のホテルや飲食店などからは、喫煙者の客が他の都県に流失することを危惧する声が上がった。なお、JR町田駅南口は、神奈川県相模原市と東京都町田市との境目となっており、県都境を跨いで商業施設が広がっている。同日の神奈川新聞の記事上で、県内の都県境から100mほどの場所で居酒屋を経営する店主は「店内を禁煙にすれば喫煙者は相模原側の店に来なくなる」とし、喫煙者が町田市側に移ることを危惧するコメントを述べた。 日本国内唯一の分煙装置専業メーカーである「トルネックス」では、一般的な分煙設備の費用は30万円から40万円(設備工事費を除く)だが、神奈川県の条例では分煙に際して煙の量も規制しているため「条例をクリアするにはさらに高価で高機能の機種にする必要がある」としたている。 2010年夏以降、受動喫煙防止条例による経済への影響について、条例により需要増を期待できる産業と需要減が見込まれる産業の11業種を富士経済がヒアリング、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが試算したところによると、2010年で-54.88億円、2011年で-106.48億円、2012年で-76億円の3年間合計で-273.36億円となり、飲食店業界のみを見た場合には、2010年で-76.5億円、2011年で-62億円、2012年で-28.8億円の-167.3億円となる、との試算結果が算出されたことを日経レストランが報じた。その一方で、受動喫煙防止のための規制として全面禁煙か分煙とするかの問題については、三菱総合研究所は研究レポートにおいて「全面禁煙規制を実施した場合は、4兆1544億円のプラスの経済的影響、分煙規制を実施した場合は1兆2628億円のマイナスの経済的影響が発生する」との試算を発表した。
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