飲食店以外の無銭交付
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/02 08:27 UTC 版)
飲食店において提供される飲食物は消費または使用してしまい、かつ返還が不能である(あるいは、飲食物を材料から料理加工する段階で、財物の価値に変化を生じて旧状回復できない)ため、無銭飲食または債務不履行の問題が生じる。電気についても同様であるため、同様である。 これに対し、消費物以外の財物(動産)を交付のために占有させ、客がその支払いを拒むような場合には、店側はただちに同時履行の抗弁権を行使し、その財物の占有解除を請求できる。未だに売買契約が成立していないからである。客が支払いも財物の返還も拒むようであれば、法的にその他の正当な理由がない限り、所有権の侵害として窃盗罪が成立しうる。無銭飲食などの場合と異なり、客側に欺罔や虚偽があった事を摘示する必要はない。また、占有解除され返還された財物に毀損があれば損害賠償を請求できる。 なお、店側の判断や制度により同時履行の抗弁を行使しない場合(後払いの容認)には、純粋な債務不履行の問題となり、刑事処分の対象外となる。 現実に、スーパーマーケットほか小売店などにおける財物の販売は、客側の支払いと同時に売買契約が成立し、所有権が客側に移転すると言う同時履行を原則としている。そのため、客側が商品をピックアップしレジに並ぶまでは、先取りの占有権がその客に生じる(第三者がそれは自分が買う等としてこれを奪った場合には窃盗罪となる)が、支払いを済ませるまでは所有権は店側にある。よって、レジに並んでる最中などに飲食物その他の財物を消費してしまうと、厳密には所有権の侵害として窃盗罪に当たる(もっとも、店側も消費後にレジで支払う事を条件に宥恕するケースも多いが、事後に支払いを拒めば当然に窃盗罪として処分される)。
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