食物の獲得
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 01:31 UTC 版)
肉食動物が苦労しなければならないのは、むしろ餌の入手である。相手が動物であれば、なにかしらの運動性をもち、逃走や待避、防御、時には肉食動物への反撃といった行動を取るものがほとんどであり、肉食動物が草食動物の返り討ちに遭うことも珍しくない。肉食動物は、それらを越える探索能力や捕獲能力を発達させなければならない。当然食われる方も逃走や防御、反撃の能力を発達させるので、一種のいたちごっこ状態が生じる可能性がある。そこに赤の女王仮説が成立する土台がある。 多くの肉食動物は食べる獲物が時と場合によって異なり、例え同じ種類の動物であっても成体、若年個体、老年個体、病体、傷体、時として死体と、様々となる。代表例はアフリカのライオンとゾウや、ガラパゴス諸島のガラパゴスノスリとウミイグアナの関係がある。どちらの獲物も成長しきれば捕食者の餌食とならないが、時として幼体が襲われて命を落とすことがある。 餌のとらえ方は、大きくは探索-捕獲と進む追跡型と、待ち伏せ型とがある。もちろん両方の間にはさまざまな中間がある。 また、自ら獲物となる動物を狩猟の形で殺害・捕獲するのではなく、他の動物が捕食した・あるいは寿命や疾病・負傷などで死亡した動物を食べる動物もいる。これらは「スカベンジャー」(→腐肉食)と呼ばれる。スカベンジャーは自ら動物を追い回し捕らえる苦労が無い代わりに、広い範囲を行動して狩りをする動物の食べ残しや傷病死した動物の死骸を探さなければならない。
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