食事中コレステロールと疾患リスク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 21:45 UTC 版)
「コレステロール」の記事における「食事中コレステロールと疾患リスク」の解説
このようにして食事生活指針からのコレステロールの摂取基準は2015年を境になくなったが、議論は続いている。 2019年の論文では、平均17年半の追跡調査を行ったアメリカ国内の複数のデータを調査したもので、過去の研究と異なり喫煙や運動不足やほかの食品成分の関係を考慮に入れて包括的に分析し、結果は、食事からのコレステロールの摂取が1日に300mgに増えると、心疾血管系疾患のリスクは3.2%、早死にのリスクが4.4%増加し、卵が半個ごとにそれぞれ1.1%、1.9%増加というものであった。 2010年の文献調査は、1日に卵を1個摂取している場合、週に1個未満のものと比較して糖尿病のリスクが2倍以上であり、心臓血管疾患のリスクがある患者はコレステロールの摂取を制限すべきであり、脳卒中や心筋梗塞後の卵黄の消費を止めるべきであるとしている としている。この見解などを根拠としてアメリカ合衆国などでは、食事性コレステロールを1日300 mg未満に抑えるよう推奨している。 オーストラリアシドニー大学のNicholas Fullerにより、第50回欧州糖尿病学会で発表された 研究は、3カ月後の比較であり、成人の糖尿病状態および2型糖尿病患者140人を対象とした調査で、朝食時に2個 × 6日 = 12個の卵を食べる高卵食群と、週に卵を2個未満の低卵食群に振り分けた。なお、両群のタンパク質の摂取量を一致させるため低卵食群は赤身の動物性タンパク質を摂取し、主要栄養素と熱量を一致させ試験期間中の体重を維持した。結果は、卵の摂取量が多くても、2型糖尿病患者の脂質プロファイルには悪影響を及ぼさないとしている。
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