飛行過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/22 23:08 UTC 版)
「ガリレオ (探査機)」の記事における「飛行過程」の解説
当初、1986年5月にスペースシャトルで打ち上げられ、セントールによって木星へ直行する軌道に乗る予定であったが、チャレンジャー号爆発事故によって打ち上げは延期された。また、液体燃料を使用するセントールをスペースシャトルに搭載する計画は液体燃料が危険との判断から変更された。液体燃料ロケットであるセントールよりも比較的安全だとされる固体ロケットの慣性上段ロケット (ISU) を用い、木星へ直接向かう代わりに一旦逆の金星に向かい、金星、地球、地球とスイングバイを行って増速する方法を用いて木星に向かった。この方法は VEEGA (Venus Earth Earth Gravity Assist) と呼ばれる。また金星周辺を通ることとなったため、強烈な太陽光線からの保護を目的として、全体が「日よけ」で覆われた構造となった。 1989年10月18日、アトランティス (STS-34) のペイロードベイ(貨物室)に搭載されて打ち上げられた。一旦低軌道までスペースシャトルで上がった後、ペイロードベイから探査機を放出した。オービタが充分に安全な距離をとって離れたあと、探査機を載せたIUSに点火、地球周回軌道を離れて最終的に木星へと至る旅に出発した。 1990年2月10日、金星スイングバイ。 1990年12月8日、1回目の地球スイングバイ。 1991年4月11日、高利得アンテナの展開に失敗。事前に公表されていた想像図とは違い、実際はパラボラアンテナを閉じた状態のまま、別の小型アンテナで通信する事になった。 1991年10月29日、小惑星ガスプラに接近観測。 1992年12月8日、2回目の地球スイングバイ。 1993年8月28日、小惑星イダに接近観測。 1994年7月21日、シューメーカー・レヴィ第9彗星の木星衝突を観測。 1995年7月13日、プローブを切り離し。 1995年12月7日、プローブが木星大気圏に突入し、57分後に通信途絶するまでデータを送り続けた。また同日、オービターも木星の周回軌道に入り、それから7年余りに渡って木星や各ガリレオ衛星、アマルテアなどへの接近観測を繰り返す。 2000年12月、土星探査機カッシーニが木星スイングバイを行う際に木星の磁気圏を共同観測する「ジョイント・ミッション」を行う。 2003年9月21日、当初の予定よりはるかに長期間のミッションを経て、木星大気圏に突入することとなった。これは姿勢制御用燃料の尽きたガリレオが衛星のどれか、特に生物が存在する可能性があると考えられているエウロパに落下した場合、探査機に付着している地球の微生物が衛星の環境を汚染してしまう恐れがあったからである。
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