飛行船O-220号とハーベナイト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/03 06:37 UTC 版)
「地底世界のターザン」の記事における「飛行船O-220号とハーベナイト」の解説
本作で重要な存在となる飛行船O-220号だが、バローズの作品にとっては例外的な機体である。すなわち、「主人公側があらかじめ用意した機体」としては、敵に対して圧倒的な優位を持っている、という点である(厳密には、本作は続編であり、その視点から見れば「強敵への対抗策」であり、「後出し」ではあるが)。 「コルクのような軽さと、鋼鉄の強度を両立している」新素材、ハーベナイトで船体や真空タンクが建造されており(ヘリウムガスは高価であり、水素ガスは危険であるため、当初は飛行船O-220号の建造自体が疑問視されていた)、軽くて強固な機体に仕上がっており、操作性の高さに乗員が驚いている。 船体は葉巻型で、長さは299メートル、直径は45メートル。総重量は75トン。真空タンクの揚力は225トン。エンジンは5600馬力。時速168キロで航行可能。直接の戦力は不明だが、コルサールを訪れた際は、爆撃の用意があることを明かしている。 また、「大勢の地上人を乗せてペルシダーを訪れた」、「その乗員ほとんどを無事に帰した」と言う点でも特筆すべき存在である(イレギュラーな存在、ともいえる)。本作では、ズップナー船長のところで紹介した26名(本人含む)に、グリドリー、フォン・ホルスト、ターザン、ムヴィロ率いる10名のワジリ族が加わっており、総勢39名が乗り込んでいるが、本作以外で直接登場する地上人は3名のみ(デヴィッド・イネス、アブナー・ペリー、アー・ギラク)である(フォン・ホルストを除く)。アー・ギラクの登場が最終巻であることを考えれば、本作の地上人が「大勢」であるといえる。 ただし、本作以前で「ペルシダーを訪れた」人物は、以上42名よりも多いことが判明している(コルサール人の祖先と、アー・ギラクの船の乗員)が、第1巻の時点で、彼らは明らかに故人である。第3巻では気球の残骸をデヴィッドが発見し、「北極に大開口部がある」と確信するシーンはあるものの、乗組員の運命は明示されていない(デヴィッドは帽子を取り、黙祷していることから、彼らの生存を絶望視している模様)。この直前に「もうひとつの太陽」(ペルシダーのそれではなく、宇宙に浮かぶ天体としての太陽)をデヴィッドらが目撃するシーンがある。 なお、「O-220」というのは、当時のバローズの電話番号である。
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