風船飛ばしに関して
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 21:46 UTC 版)
詳細は「風船飛ばし」を参照 1990年代初頭にかけて、落ちたゴム風船を野鳥が誤って食べて窒息死するなどの理由により、野外でのゴム風船の使用が減ったことがあったが、日本バルーン協会によれば、ラテックスを使用しているゴム風船は自然界で分解されるためにそのような事故が起きる可能性はきわめて低いとされる。しかし欧米では、近年の複数の公的な環境調査により、日本近海にも生息し絶滅が危惧されるオサガメの死体調査で、40%近い個体の胃の中からプラスチック製品が見つかっており、胃の中から主食のクラゲと間違えて誤食したと思われるビニール袋のほか、風船、たばこやお菓子の包装、釣り糸なども多く見受けられ、ビニール袋のような膜状人工物を消化管に詰まらせたことが死因の可能性の高い個体も多く見つかっている。 また飛ばしたゴム風船の大体5 - 10%が破裂することなく原形をとどめたまま地上や海に落下するとみられているが、海岸に打ち上げられる漂流・漂着ごみとしてのゴム風船の近年の急増傾向も指摘されており、自然環境に大量に放出する行為は海鳥や海棲哺乳類などの野生生物の生命をも脅かすおそれがあるため、欧米ではビニール袋の投棄禁止とともに商業的な大量の風船飛ばしの行為に反対する生物学者、生物・鳥獣保護団体、環境保護団体、環境教育機関が少なくない。 またアメリカ、シンガポール、オーストラリアなどでは条例により商業目的の風船飛ばしの1日もしくは行為1回ごとの数量規制および超えた場合の罰金制度が行われている地域も存在する。オーストラリア クィーンズランド州では、一切禁止となった。 なお、日本バルーン協会は、野外で放すための風船はゴム風船等の自然素材の風船を用い、風船も分解しやすい糸や紙紐、紙製のリボンを用いて吹き口を留めるようにする事を推奨している。 イスラエルでは宣伝用の風船がレバノン南部まで到達し、住民が化学兵器と思いパニックとなったこともある。ヘブライ語の文字が印刷された薄い緑色で吹き口が互いに結ばれて10個を1組にしてあった。現地爆発物処理班により畑に移動後、爆破された。
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