音韻組織体系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 15:17 UTC 版)
「リオプラテンセ・スペイン語」の記事における「音韻組織体系」の解説
リオプラテンセ・スペイン語は発音の明確な調和により、他のスペイン語の方言と区別される。 他の多くの方言のように、リオプラテンセ方言はジェイスモによって特徴付けられている:ll (硬口蓋側面接近音、/ʎ/)と y ([ʝ]、歴史的には硬口蓋接近音、/j/)の音素はひとつに融合している。このため、リオプラテンセにおいては、他のジェイスモの地域同様、se cayó(彼は転んだ)とse calló(彼は黙った)は同じ発音となる。 この融合した音素は一般的には後部歯茎摩擦音であり、この地域の中央、および西部では有声後部歯茎摩擦音([ʒ])、ブエノスアイレス周辺では無声後部歯茎摩擦音([ʃ]、シェイスモ sheísmo と呼ばれる)で発音される。それぞれ英語のmeasureのsとmissionのss、あるいはフランス語のjとchの発音と同様である。 また、標準スペイン語では母音に挟まれたi(例:"Hawaiano")はyと同じように[ʝ]と発音することもあるが、リオプラテンセではこれがシャ行にならず、イタリア語と同じように[j]または二重母音の一部として[i]と発音する。 摩擦音の/s/は他の子音の前では帯気する傾向がある(結果として現れる音はその後の子音によるが、そのメカニズムに明確な説明を与えるのは無声声門摩擦音 [h]であるとされる)。あるいは、全ての音節末の/s/が帯気する。この現象は特に教養の低い人の間でみられる。この変化は単語レベル、あるいは単語間レベルでのみ発現する。これは、esto es lo mismo (これは同じ)は['ɛhto ɛh lo 'mihmo]のように発音されるが、las águilas azules(青いタカ)のlasおよびáguilasに含まれる/s/ は後ろに子音が続かないため、その発音は帯気したり、[h]となったりすることはなく、[s]のままとなる。 地域によっては、話者は動詞の不定形の末尾のrを発音しない傾向にある。このエリジオンは地域によっては無教養な話者の特徴と考えられているが、別の地域では特に早口での会話において広く一般的となっている。なお、これはカタルーニャ語では標準的なものである。 標準スペイン語においてbとvは同音だが、リオプラテンセ・スペイン語ではvを[v]と発音することがある。 sの帯気は、語末のrの脱落や幾らかの二重母音の単純化とともに、音節構造を単純化させるように働き、それによってリオプラテンセ方言を流暢な子音-母音-子音-母音のリズムとしている(開音節)。 Si querés irte, andáte. Yo no te voy a parar. "もし君がそこに行きたいって言うなら、僕は止めるつもりはないよ。" ( 発音[ヘルプ/ファイル]、[sikeˌɾɛˈhite anˈdate - ʃo noteβjapaˈɾa])
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