音韻結合上の問題とは? わかりやすく解説

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音韻結合上の問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/20 08:08 UTC 版)

邪馬台国の言語」の記事における「音韻結合上の問題」の解説

ただし、上代日本語音韻結合の法則性に従わないように見え特徴もある。 オ列甲類使用頻度問題 切韻韻字属する「奴」や「都」や「呼」などは延べ37回、全体の約25%使われている。森博達見解では「韻字上代日本語オ列甲類を表す音節使われる。ところが上代日本語オ列甲類使用頻度は4%と極めて少なく倭人語とは顕著な差があると森博達主張する。この違いをどう解釈するかという問題が残る。 解決点は「韻字発音の変化にある。「韻字中国中古音ではオ列を表す文字として使用されたが、後漢時代以前の上古音ではア列を表す文字として使われたことが知られている。「奴国」の「奴」は「ナ」と発音されオ列甲音にならないのは、後漢時代に既に金印に「奴国」と刻印され上古音ア列を表す文字として使われ過去踏襲したからである。「韻字の「廬」も「末廬国」に「ラ」と発音されア列となっている。「」も「多」で「タマ」と発音しア行可能性がある。つまり「韻字属する「奴」「廬」「」がのべ17回つかわれているが、それらすべてがア列発音されるなら、残りの「韻字オ列甲類頻度20回、全体14%となる。さらに「」が「サ」、「謨」が「マ」または「ム」、「吾」が「ガ」と発音されたなら、残りの「韻字オ列甲類頻度15回、全体10%となる。オ列甲類使用頻度1015であれば高いとは言えず、上代日本語特徴矛盾しないオ列甲類複数存在問題 指摘する第二の問題一語中におけるオ列甲類語の複数存在問題である。上代日本語には特殊な語を除いて同一結合単位甲類オ列音が複数存在するとがない」。ところが倭人語にはオ列甲類みなされる韻字複数存在する例が5つみられる好古都国、奴国奴国、烏奴国および泄謨觚である。 この問題解決糸口は、第一頻度問題同じく倭人語の「韻字にはオ列ではなくア列発音する語が少なからず存在することである。特に「奴」は「ナ」と発音されることがほぼ確実である。したがって奴国奴国および烏奴国に関してオ列甲類複数存在したことにはならない。泄謨觚に関しても「セムコ」あるいは「セマコ」と呼ばれたなら、オ列甲類複数存在したことにはならない。ただし好古都国に関してはまだ解決方策は見いだせない。好古都国が「クカト」国あるいは「コカツ」国と発音されたならオ列甲類複数存在したことにはならないが、そのように解釈する根拠はまだ見いだせない。 いずれにせよオ列甲類複数存在問題解決糸口があるばかりか、この法則性発音の可能範囲にある限定与えてくれる。「好古都」が上代日本語法則性に従うなら「ココト」や「コカト」とはならないが、「クカト」や「コカツ」は可能である。

※この「音韻結合上の問題」の解説は、「邪馬台国の言語」の解説の一部です。
「音韻結合上の問題」を含む「邪馬台国の言語」の記事については、「邪馬台国の言語」の概要を参照ください。

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