鞭毛菌類の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2008/10/17 23:26 UTC 版)
鞭毛菌類の分離にはこの方法がよく使われる。まず試料としては水を取ってくる。この水中に餌になる素材をほうり込む。そのまま一定時間の培養を行ない、その後に餌を取り出し、新たな容器に滅菌水を入れ、その中で培養する。そしてそこに出現する微生物を観察、分離の操作を行なう。培養中は度々シャーレと滅菌水を取り替える。 なお、ミズカビ類の場合、この方法は通常の培養や植え継ぎの方法としても使われる例がある。たとえばすでに培養されている菌体の一部を取り出し、これを新たな容器に滅菌水と共に入れ、そこに餌を入れ、一定時間の後に取り出して新しい容器で培養すると、比較的きれいな菌体を得ることができる。 餌の選択によって出現する微生物の種類も変わる。いわゆるミズカビ類の分離には麻の実を茹でて殻を取ったものを用いるのが標準である。スルメを使えば、動物質はその後の培養での水管理が少しやっかいになるが、異なった傾向の種が分離できる。いずれも細菌類の増殖を押さえるために水の交換は必須で、さもなければシャーレの中がどろどろの粘液になる。 他に、ツボカビ類の分離にはセロハン片やマツ類の花粉がよく使われる。そのため、この手の研究室ではこれらを常時備蓄している。 なお、土壌など陸生の環境にもこの種の菌類は生息している。それらを狙う場合、例えば土壌を滅菌水の中に放り込むと、それらの菌は遊走子を放出するから、これに餌を放り込むことで釣り餌法を適用できる。
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鞭毛菌類の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 01:09 UTC 版)
鞭毛菌類では、これらの疑問は研究の進歩によってさらに明らかにされる。光学顕微鏡で行われていた細胞の構造の研究は電子顕微鏡の発達によりより細部にまで解明が進み、鞭毛は外見だけでなくその内部構造やそれを支える構造までが明らかにされ、鞭毛装置の違いはより重視されるようにになった。卵菌類やサカゲカビ類のそれはツボカビのそれとはかけ離れ、むしろ褐藻類や黄緑藻類といった不等毛類のものと比較すべきであることが明らかとなった。生理面でもアミノ酸の合成経路などがこの類ではやはり他の菌類とは異なることが明らかにされた。1986年にキャバリエ=スミスは不等毛類を藻類の1門と位置づけ、ここにサカゲカビ類と卵菌類を含めた。彼はその2群をまとめて偽菌類と名付け、これを亜門とした。そして分子系統の発展は系統関係を直接に示すことが出来るようになった。その結果はやはりキャバリエ=スミスの説を支持するもので、この類が真菌類と別の系統に属することが明確にされた。 ミズカビ類のコロニー 卵菌類(ワタカビの一種) エキビョウキンの1つ(Phytophthora infestans)
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