電磁直通ブレーキ
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/16 15:50 UTC 版)
電磁直通ブレーキ(でんじちょくつうブレーキ)は、鉄道車両の空気ブレーキ方式の一つである。
- ^ Westinghouse Air Brake Co.: 現Wabtec社。
- ^ WABCOでの代表形式はB-1電空制御器。日本では電磁制御器、あるいは電磁直通制御器などとも呼ばれる。
- ^ WABCOでの代表形式はNo.21B電磁給排弁。
- ^ D非常弁ないしはA動作弁など。A弁などの自動空気ブレーキ用ブレーキ制御弁を使用する場合は、在来の自動空気ブレーキのみを搭載する車両との併結運転も可能となる。もっとも21世紀以降は、自動空気ブレーキの衰退やその補修部品の製造打ち切りなどにより、複雑な自動空気ブレーキ用三動弁の採用を止め、簡易な非常弁を搭載するケースが多い。
- ^ Strait air brake / Motor car / Emergency valve: 電車用非常弁付直通空気ブレーキ。
- ^ また、反対にM24制御弁のように、自動空気ブレーキのみに対応する標準のM23弁の機能に加え、コック切り替えによる直通ブレーキ機能を付加して短編成時のブレーキ操作の便を図るケースも存在した。
- ^ 「電気鉄道ハンドブック」 pp.199-200
- ^ AMP→AMPE化等。
- ^ Straight Air Pipe: 日本では一般にSAP管と呼称。
- ^ 締切電磁弁は構造上、励磁されない限り、SAP管を閉鎖できない設計である。
- ^ 通常、40 - 70kPa程度に落とす。
- ^ 電磁直通ブレーキ装備車において、終着駅などで運転台のブレーキハンドルを抜く際にエアー音が発生するのはそのためである。
- ^ ただし、この場合は電空同期機能は使用不能となるなど、いくつかの機能制限が生じる。
- ^ 201系、203系など。日本ではCL系ブレーキ用三膜動弁は貨車用の標準ブレーキであるため生産が途絶える心配がない。なお205系・211系等の国鉄末期形式以降からは電気指令式ブレーキとなったため現在は新たに採用していない。
- ^ 例えば現在も運行されているシカゴ・Lでは、モータリゼーションや恐慌などの影響から、1924年の4000系最終増備車で一旦車両増備が途絶え、1947年に4編成が試作された5000系、実質的には1950年より量産がスタートした6000系まで四半世紀以上も新型車の投入が実施されなかった。もっとも、その分技術的には飛躍的な進歩が見られ、6000系では後述のシネストンコントローラや直角カルダン駆動、それに弾性車輪などが導入されている。
- ^ なお、以後の銀座線向け車両では自動空気ブレーキの採用が継続され、1983年より新造が開始された01系では一足飛びに電気指令式ブレーキが採用された。このため、銀座線でのSMEEの採用はこの試験車2両のみに終わっている。
- ^ 後の101系
- ^ Straight air brake / Electromagnetic / Dynamic: 発電制動付電磁直通空気ブレーキ
- ^ Straight air brake / Electromagnetic / flexible Load / Dynamic: 応荷重装置および発電制動付き電磁直通空気ブレーキ
- ^ SED/SELDブレーキのブレーキ弁の機構はWABCOのHSCブレーキ用ME38ブレーキ弁のそれそのものであり、それゆえ、ブレーキハンドルはM/A/U各ブレーキ制御弁で使用されていたM23ブレーキ弁や電磁自動空気ブレーキ化された各ブレーキで使用されたME23ブレーキ弁などのものと互換性がある。
- ^ ただし国鉄自身はSMEE/HSCブレーキに関わる特許について、WABCOとの包括的なライセンス契約を結ばなかったため、SED/SELDブレーキについては各コンポーネントの製造メーカーがライセンス契約を個別に結ぶ必要が生じた。このため、初期には特許料支払いを拒む一部メーカーとWABCOの間で訴訟問題が発生した。
- ^ DはDynamic=動的の略。電車における(電力回生をしない単純な)発電ブレーキを指す。なお気動車においてはリターダがこれに該当するが、後述の通り日本では採用例はない。
- ^ RはRegenerative=回生の略。
- ^ キハ10系など初期の車両では編成先頭の電源ですべてを制御していたが、編成の長大化によって編成後部では指令線の電圧低下により動作不良を起こすことから、後にリレーを用いて各車毎に後ろ隣の車両に伝達する方式となった。
- ^ もっとも、長大編成化の進展や高速化に伴って中継弁の付加や電磁弁追加、それに制御電源の昇圧などが実施され、最終的にはDARE1電磁自動空気ブレーキへ発展を遂げた。
- ^ 他系列との混結がありえず、大容量のサービス電源も確保できるキハ181系気動車においてさえ前述の重量増を嫌って電磁直通ブレーキは採用されなかった。キハ181系は特急形車両であるが、その初期投入列車のひとつである『つばさ』では当時、東北新幹線開業前で路線容量いっぱいの東北本線上野 - 大宮間、及び国鉄で2番目の難所となる板谷峠の急勾配区間とブレーキ応答性の望まれる区間が含まれていたが、エンジンブレーキ併用CLEブレーキで特に問題とはならなかった。晩年の『はまかぜ』でも、221系電車や223系電車による新快速の飛び交う東海道・山陽本線をその合間を縫って運転されているが、ブレーキ力が不足したという話は残っていない。なおキハ181系のCLEブレーキはセルフラップ機構を備えている。また、同時期に試作された591系試作振り子式電車でも同様の事情から電磁自動空気ブレーキが採用されていた。
- ^ 気動車においては電車の発電ブレーキ・回生ブレーキに相当する機関ブレーキ・排気ブレーキの採用がダイヤカットに寄与し、重量級のキハ181系でも空気ブレーキはCLEブレーキでしかないが120km/h運転を可能としている。更に近年はリターダの採用でブレーキライナーの摩耗軽減を図っており、電車同様空気ブレーキは停止制動時の転動防止が主たる役割となっている。
- ^ 電磁直通ブレーキ車と電磁自動ブレーキ車で併結し、120km/hの高速運転を行った例もあり、485系とキハ183系1000番台による『有明』・『オランダ村特急』併結運転がそれである。キハ183系側に指令読み替え機を搭載している。
- ^ 大阪市交通局形式名: OEC-1
- ^ 廃車車両から機器を流用した車両の場合は名鉄5000系電車 (2代)のように21世紀に入ってからの導入車両でも電磁直通ブレーキの採用例がある。
- ^ 通称: 日立式電磁直通ブレーキ
- ^ なお、新7000系VVVF制御車は、電磁直通弁式電磁直通ブレーキで回生ブレーキ併用とされた。
- ^ 機関車ではDE10形で初採用、気動車ではキハ90系で試作後、キハ181系で量産化。
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「電磁直通ブレーキ」の続きの解説一覧
- 1 電磁直通ブレーキとは
- 2 電磁直通ブレーキの概要
- 3 その他
- 4 参考文献
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