電子工学と関連デバイス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 06:49 UTC 版)
銅は工業をはじめ幅広い用途に広く用いられ、特に電気器具の配線、変圧器、電磁石のようなデバイス、銅線(英語版)などの材料として用いられる。これは銅が銀に次いで電気抵抗が少なく電気伝導性に優れ、常温における伝導率が銀の94 %と遜色がない一方で、銀より価値が格段に低いためである。 また優れた電気伝導性により、希少金属の価格高騰や伝導性の改善のために、集積回路やプリント基板において金や銀、アルミニウム配線の代替としても銅が用いられる。しかしながらニッケルやコバルトと比較しても他のプロセスへの汚染度が激しいため、同一のチャンバーやラインを使用することによる銅汚染が問題となる。また、銅装置に触れた器具や工具はもとより、エンジニアやオペレーターを介した汚染もある。そのため、半導体製造工程上は、銅が他のプロセスへの影響が出ないように隔離した状態で製造するため若干の費用がかかる。 銅は比較的高い熱伝導率を持つため熱放散能力に優れており、かつ加工性にも優れているためヒートシンクや熱交換器のような廃熱・放熱部分にも銅が用いられる。真空管およびブラウン管、電子レンジにおけるマグネトロン、マイクロ波以上を伝送するための導波管にも銅が用いられている。 銅は、他の金属の電気伝導率を測る国際軟銅線標準(英語版)(IACS)としても使われ、温度20 °C、長さ1 m、断面積1 mm2の条件における電気抵抗が0.017241 Ωとなる「万国標準軟銅 (IACS)」の伝導率が基準値 (100 %)とされる。
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