難聴と日常生活
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/23 16:10 UTC 版)
以下は、日常生活における難聴の問題の兆候である: 静かな環境や騒がしい環境では聞こえない 人々が話しているときに単語やフレーズが欠落している 耳鳴り 聴覚過敏 耳閉感 テレビや音楽の音量を上げる必要がある 会話を続けるために熱心に集中する必要があるため、疲れを感じる 聾文化(聞こえないことを前提として形成された文化)に生きる人、いわゆる聾者は、実際のところ充実した日常生活を送っている者が多く存在する。特に視覚が正常であれば手話なども使えるので、なおさらである。他に、やはり視力が十分あることが必須なものの、筆談も行えるので、必要とあらば手話を知らない者との意思疎通も可能である。しかし、それでも正常聴力を持っている場合とは異なり、例えば背後からの自動車の接近を音で知り、危険回避を行うといったことができないなどのハンデは存在する。さらに問題となるのは中途失聴者などで、こちらは音があることを前提に生活してきたために、より危険度は高くなるし、その上、手話なども使えず、様々な問題を抱える場合がある。 また、元々正常聴力だった者が、失聴とまではゆかないまでも難聴になった場合、周囲の者と会話などが上手くゆかず、結果として孤立に陥ることもある。そうならないように補聴器などの補助具もあるが、補聴器の効果が出ないケースもある。それから、老人性難聴などのケースでは、比較的低い周波数帯の音に対する聴力は良好に保たれている場合もあるため、張り上げた声(高い周波数の比較的強い音)はよく聞こえないが、ボソリとした声(低い周波数で比較的弱い音)だと聞こえてしまうことがあり、これが「年寄りは陰口だけしっかり聞いている」などといった誤解を生む場合もある。他に、例えばテレビの音がうるさいなどといったことが原因で、周囲との摩擦に発展する場合もある。さらに、進行性の難聴(時間経過と共に悪化してゆく難聴)の場合は、少し前までは聞こえていた音が聞こえなくなることがあるため、思わぬ問題が生じることもある。
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